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大谷翔平から「ホームランを打った選手」のシーズン本塁打は何本!? 大谷は強打者に打たれたのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・チャップマン(オークランド・アスレティックス)Sep 19, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、延べ531人に対して投げ(他に敬遠四球が2人)、15人にホームランを打たれた。敬遠四球を除き、ア・リーグで500人以上と対戦した50投手中、被本塁打15本以下は9人だ。

 大谷からホームランを打ったのは、いずれも別の選手だった。それぞれのシーズン本塁打は、30本のカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)とセドリック・マリンズ(ボルティモア・オリオールズ)が最も多い。この2人でさえ、大谷が打ったホームランと比べると――大谷の本数が多いのが大きな理由だが――約3分2約3分の2に過ぎず、15人中10人は20本に届かなかった。シーズン本塁打の少ない4人に至っては、合計しても38本なので、大谷が記録した本数より8本も少ない。

 前年までにシーズン30本塁打以上を記録したことのある選手も、2017年に32本のジョナサン・スコープ(デトロイト・タイガース)と2019年に36本のマット・チャップマン(オークランド・アスレティックス)だけ。そこに、今シーズンのタッカーとマリンズを含めても4人だ。

筆者作成
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 ただ、大谷からホームランを打ったのは、それほどパワーのない選手が多い、とは必ずしも言いきれない。

 ヤン・ゴームズ(アスレティックス)とスコープ以外の13人は、今シーズンを含めても、メジャーリーガーとしてのキャリアが5年以内だ。また、3分の2の10人は、大谷よりも後に生まれている。今シーズンの大谷ほどではないかもしれないが、タッカーとマリンズのように、今後、パワーを開花させる選手が出てくる可能性もある。なかでも、ナサニエル・ロウ(テキサス・レンジャーズ)、DJ・スチュワート(オリオールズ)、ジャレッド・ケルニック(シアトル・マリナーズ)の3人は、パワーの伸びしろが大きそうだ。

 なお、大谷の被本塁打は通算21本、大谷からホームランを打った選手は20人。チャップマンだけが、大谷を相手に通算2本塁打を記録している。その1本目は、3年前の4月1日。大谷と初めて対戦した打席で打った。大谷からすると、メジャーリーグで最初に打たれたホームランだ。この日は、メジャーリーグ初登板だった。これまでの通算14打席は、12打数4安打(ホームラン2本、二塁打1本、単打1本)、2四球、4三振だ。

 チャップマンは、菊池雄星(マリナーズ)からも、通算2本のホームランを打っている。こちらは、2019年と2021年に1本ずつだ。菊池を相手に3本塁打の選手はおらず、大谷も2019年と2021年に各1本の計2本。現時点のチャップマンは、花巻東高出身のメジャーリーガーから最も多くのホームラン(4本)を打っている選手ということになる。

 大谷の投手成績については、こちらに書いた。

「投手・大谷翔平の成績。防御率は120イニング以上のリーグ8位、奪三振率は5位、与四球率は36位…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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