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大谷、ペレス、ゲレーロJr.の本塁打王争いに「第4の男」現る!? ここ5試合の5本塁打でその差は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーカス・シミエン(トロント・ブルージェイズ)Sep 6, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月を終え、ア・リーグの本塁打ランキングは、1位に42本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)2位に39本のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、3位に38本のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)が位置し、4位には32本の3人がいた。そこから6日が経った時点のトップ3は、43本の大谷、41本のペレス、40本のゲレーロJr.だ。2位と3位が入れ替わったものの、顔ぶれは変わっていない。

 だが、4位に並んでいた3人のなかから抜け出し、トップ3に近づいてきた選手がいる。ゲレーロJr.のチームメイト、マーカス・シミエンだ。9月1日以降の5試合で5本のホームランを打ち、シーズン全体で37本とした。大谷とは6本差、ゲレーロJr.との差は3本だ。ア・リーグで34本塁打以上の選手は、4人の他にはいない。

 ここから、エンジェルスは24試合、ロイヤルズは25試合、ブルージェイズは26試合を行う予定だ。シミエンが大谷に追いつく、あるいは追い越すのは容易ではないが、6本差なら、あり得ないことではない。例えば、8月19日の時点で、大谷はペレスに9本差をつけていた。その後、エンジェルスは9月5日までに14試合、ロイヤルズは16試合を行い、その差は2本に縮まった。

 現在、ブルージェイズは、ポストシーズン進出となるワイルドカード・レースの2番手まで、3.0ゲーム差の位置にいる。162試合を終えて、他のチームと2番手に並んだ場合、ポストシーズン進出を決める163試合目が行われる。この試合の成績は、レギュラーシーズンにカウントされる。もちろん、ホームランもそうだ。

 また、シミエンとゲレーロJr.は、8月11日以降の24試合中19試合で、スターティング・ラインナップの2番と3番に並んでいる。それまでは、1番と3番が多かった。相乗効果があるのかどうかはわからないが、9月6日にシミエンが打った2本塁打のうち、1本目の直後にはゲレーロJr.も続いてホームランを打った。2本目の直後はホームランではないものの、シングル・ヒットを記録した。

 なお、シミエンは昨シーズンまで遊撃を定位置としていたが、1年1800万ドルでブルージェイズに入団した今シーズンは、遊撃にボー・ビシェットがいるため、二塁を守っている。なので、シミエンはあと3本塁打を積み上げると、ナ・リーグとア・リーグの球史において、1シーズンに40本以上のホームランを打った5人目の二塁手となる(出場試合の75%以上で二塁を守った選手が対象)。これまでの4人は、1922年のロジャース・ホーンズビー(42本)、1973年のデービー・ジョンソン(43本)、1990年のライン・サンドバーグ(40本)、2016年のブライアン・ドージャー(42本)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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