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ペレスの2本塁打に対して、大谷は1本。大谷と2位の差は3本のまま。残り試合からすると有利なのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Sep 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月4日、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、2打席続けてホームランを打った。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)のホームランは1本。トロント・ブルージェイズは4本塁打を記録したが、そのなかにブラディミール・ゲレーロJr.のホームランはなかった。

 3人のシーズン本塁打は、大谷が43本、ペレスが40本、ゲレーロJr.は39本だ。2位と3位が入れ替わったが、大谷と2位の差は、3本のまま変わっていない。ペレスは、ア・リーグの捕手では初の40本塁打に到達した。これまでにナ・リーグで40本塁打以上の捕手については、「ア・リーグ史上初となる「シーズン40本塁打の捕手」が誕生!? 8月半ばに30本到達」にリストを掲載した。

 レギュラーシーズンは、10月3日に終わる。エンジェルスはあと26試合、ロイヤルズは27試合、ブルージェイズは28試合だ。ロイヤルズが対戦する相手は、ボルティモア・オリオールズとミネソタ・ツインズが3分の1以上(27試合中10試合)を占める。ブルージェイズに至っては、半数(28試合中14試合)だ。オリオールズとツインズの被本塁打はどちらも200本を超え、全30チームのワースト2に位置する。エンジェルスは、この2チームとの対戦をすでに終えている。

 さらに、エンジェルスは9月7日~8日に、ペトコ・パークでサンディエゴ・パドレスと試合を行う。ナ・リーグのチームのホーム・ゲームなので、DHはない。大谷は、代打出場の可能性が高い。9月3日の登板から数え、中3日あるいは中4日で投げれば別だが、2018年のメジャーデビュー以来、どの登板間隔も中5日以上だ。先発出場ではなく代打となれば、その分、ホームランを打つ機会は減る。

 また、ペレスが1試合に複数のホームランを打つのは、今シーズン6度目だ。これは、どの選手よりも多い。ゲレーロJr.も5度を数え、前日まではペレスと並んでいた。ゲレーロJr.の1度目は、4月27日の1試合3本だ。他に、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)、ジョーイ・ギャロ(テキサス・レンジャーズ/ニューヨーク・ヤンキース)、カイル・シュワーバー(ワシントン・ナショナルズ)の3人が、マルチ本塁打を5度記録している。大谷のマルチ本塁打は、ペレスの半数だ。3度とも、前半戦に記録した。

筆者作成
筆者作成

 当然ながら、ア・リーグの本塁打王に最も近いのは、3本リードしている大谷だ。けれども、まだその行方はわからない。2人以上が同数で並んだケースについては、こちらで書いた。

「大谷が42本、ゲレーロJr.とペレスは39本と38本。本塁打王を分け合う可能性も。過去には…」

【追記】ペレスは、9月5日もホームランを1本打ち、大谷との差を2本とした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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