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登板した投手が4人続けて「セーブ失敗」でも、試合の勝敗は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョナサン・ローアイシガ(ニューヨーク・ヤンキース)Jul 25, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月9日、ニューヨーク・ヤンキースのリリーフ投手たちは、4人続けてセーブ失敗を記録した。1点リードの7回裏、無死一塁の場面で先発投手と交代したジョナサン・ローアイシガは、無死三塁となった後、犠牲フライを打たれた。2人目のチャド・グリーンがマウンドに上がったのは、1点リードの8回裏、無死一、二塁だ。外野フライで二塁走者が進塁後、ヒットを打たれた。3人目と4人目のザック・ブリットンクレイ・ホームズは、それぞれ、1点リードの9回裏と2点リード10回裏にイニングの頭から投げ、どちらも同点に追いつかれた。

 ベースボール・リファレンスによると、1試合に同じチームの4人がセーブ失敗は、1995年9月28日のヒューストン・アストロズに続き、2度目だという。アストロズは4人連続ではなく、リリーフとして登板した9人中、セーブ失敗を記録したのは、4人目と6人目と7人目に、最後の9人目だ。最初の2人と8人目はセーブ機会ではなく、3人目と5人目はホールドを記録した。

 アストロズの場合、1点リードで迎えた11回裏に登板したトッド・ジョーンズが、同点とされたのに続き、サヨナラ・ヒットを打たれた。一方、ヤンキースは、3点リードで11回裏を迎え、ブルペンから登場した5人目のワンディ・ペラルタが、1点を取られながらも、何とか逃げきった。セーブ失敗を記録したその前の4人も、同点にはされたものの、逆転はされなかった。

 8月9日の試合でヤンキースと対戦したカンザスシティ・ロイヤルズは、リリーフとして7人が登板し、ヤンキースのリリーフ投手たちと同じように点を取られたが、誰もセーブ失敗を記録しなかった。いずれも、登板した時点のスコアは、ビハインドあるいは同点だったので、セーブ機会ではなかった。

 ヤンキースもロイヤルズも、最初の6イニングは無得点だった。そこから、両チームとも3イニング続けて1点ずつを挙げ、10回はともに2得点。11回はヤンキースの3得点に対し、ロイヤルズが1得点にとどまった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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