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どちらもサイ・ヤング賞2度以上の2人が同じチームで投げるのは、カーショウとシャーザーが何組目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(ロサンゼルス・ドジャース)Aug 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月4日、マックス・シャーザーは、ロサンゼルス・ドジャースのユニフォームを着て、マウンドに上がった。5日前にワシントン・ナショナルズからドジャースへ移ったシャーザーは、サイ・ヤング賞を3度受賞している。ドジャースには、同じくサイ・ヤング賞3度のクレイトン・カーショウがいる。

 どちらもサイ・ヤング賞2度以上の2人が、同じシーズンに同じチームで投げるのは、2008年にニューヨーク・メッツで20先発と34先発のペドロ・マルティネスヨハン・サンタナ以来だ。カーショウとシャーザーは、6組目となる。

筆者作成
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 ただ、トム・シーバースティーブ・カールトンは、1986年にシカゴ・ホワイトソックスで投げたが、シーバーの在籍は6月まで、カールトンの在籍は8月から。チームメイトにはなっていない。また、2001年にボストン・レッドソックスで投げたペドロ・マルティネスブレット・セイバーヘイゲンも、時期は重なっていない。この年、セイバーヘイゲンのメジャーリーグ登板は、7月下旬から8月上旬にかけての3試合だけ。一方、ペドロは肩を痛め、6月下旬から8月下旬まで故障者リストに入っていた。

 このなかで、ともに規定投球回をクリアして3.50未満の防御率を記録したのは、2000年と2002年のグレッグ・マダックストム・グラビンしかいない。

 現時点のカーショウとシャーザーも、揃い踏みはしていない。カーショウは左腕を痛め、7月7日から故障者リストに入っている。ドジャースとしては、一日も早い復帰を待ち望んでいるはずだ。

 8月4日のドジャース初登板で、シャーザーは7イニングを投げて2失点に抑えた。この試合を含め、今シーズンは、奪三振率11.97と与四球率2.21、防御率2.75だ。離脱するまでのカーショウも、奪三振率10.75と与四球率1.61、防御率3.39を記録している。

 なお、マダックスとグラビンは、2人とも、1966年に生まれ、1984年のドラフトで2巡目に指名されてプロ入りした。全体31位(シカゴ・カブス)と全体47位(アトランタ・ブレーブス)だ。一方、カーショウは33歳、シャーザーは37歳だが、こちらもドラフトは同期。どちらも2006年だ。カーショウは全体7位、シャーザーは全体11位。それぞれ、ドジャースとアリゾナ・ダイヤモンドバックスに指名された。

 ちなみに、2006年のドラフトで指名され、複数のサイ・ヤング賞を手にした投手は、2人ではなく3人いる。彼らの間、全体10位でサンフランシスコ・ジャイアンツに入団したティム・リンスカムが、2008~09年に続けてサイ・ヤング賞を受賞した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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