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この選手が優勝リングを手にする可能性は誰よりも高い!? 今年在籍の3チームともポストシーズン進出圏内

宇根夏樹ベースボール・ライター
ビリー・マッキーニー Jun 16, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月21日、ロサンゼルス・ドジャースは、外野手のカルロス・リンコーンと交換に、ニューヨーク・メッツから外野手のビリー・マッキーニーを獲得した。リンコーンは23歳のドミニカンだ。まだ、メジャーデビューはしていない。マッキーニーは26歳。2013年のドラフト全体24位だ。メジャーデビューは2018年。その前を含め、移籍は6度目となる。その5度目は2ヵ月前。5月26日に、ミルウォーキー・ブルワーズからメッツへ移った。

 前の2チームと同じく、マッキーニーはドジャースでも、マイナーリーグではなくメジャーリーグでプレーするだろう。役割も変わらず、控えの外野手と対右の代打になりそうだ。

 一方、今回の移籍により、マッキーニーが2021年のワールドチャンピオン・リングを手にする可能性は、また上がった。現在、ブルワーズとメッツは地区首位にいて、ドジャースはワイルドカード・レースのトップを走っている。3チームとも、このままいけば、ポストシーズンへ進出する。

 ワールドシリーズで優勝したチームのロースターに入っていなくても、そのシーズンにそのチームでプレーした選手は、ワールドチャンピオン・リングをもらえる。そこには、シーズン途中にチームを去った選手も含まれる。少なくとも、近年において、例外は皆無、あるいは皆無に近いはずだ。あるとすれば、何らかの問題を起こした選手くらいだろう。それでも、リングは授与されるかもしれない。

 今シーズン、3チームでプレーするのは、マッキーニーが最初ではない。調べたところ、4人が見つかった。ただ、そのうちの2人は、3チーム中2チームが大きく負け越している。他の2人も、現時点では3チーム中1チームがポストシーズン進出圏内にいない。タンパベイ・レイズ→ロサンゼルス・エンジェルス→ブルワーズと移ったハンター・ストリックランドは2チーム目、レイズ→ブルワーズ→トロント・ブルージェイズのトレバー・リチャーズは3チーム目がそうだ。

 もっとも、マッキーニーの場合、3チームともナ・リーグ。2010年のベンジー・モリーナのように、ワールドシリーズに進出した2チームのどちらが優勝してもリングをもらえる立場にはならない。この時のベンジーについては「優勝を逃しても優勝リングはゲット◆42歳のランニング本塁打◆奪三振ゼロの完封…【7月1日のMLB】」に書いた。

 ストリックランドとリチャーズは、共通する2チーム、レイズがア・リーグ、ブルワーズはナ・リーグなので、ベンジーと同じ立場になり得る。3チームでプレーしていなくても、リチャーズとともにレイズからブルワーズへ移ったウィリー・アダメスをはじめ、こういった選手は他にもいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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