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70イニング以上の110人中、大谷翔平の奪三振率はトップ10、与四球率はワースト10にランクイン

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 19, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、14試合に登板し、計73.0イニングを投げている。7月19日の時点で、70イニング以上の投手は、大谷を含めて110人(ア・リーグ56人、ナ・リーグ54人)。そのなかで、大谷の防御率3.21は29位(ア・リーグ11位)に位置する。

 大谷のスタッツのうち、目につくのは、奪三振率と与四球率の順位だ。奪三振率11.71は9位(ア・リーグ5位)、与四球率4.44はワースト8位(ア・リーグ・ワースト3位)。この両スタッツのトップ10&ワースト10、あるいはワースト10&トップ10は、他に誰もいない。

 もっとも、最初の12登板は計60.0イニングで奪三振83と与四球35だったのに対し、7月の2登板は計13.0イニングで奪三振12と与四球1。サンプルはまだ少ないものの、変化が窺える。1イニング平均の投球数は、4月~6月が16.2、7月は14.2だ。エンジェルスのブルペンを考えると、大谷は球数を抑え、少しでも長く投げることが求められる。理想を言えば、大谷とライセル・イグレシアスの2人で計9イニングだろう。シーズン4勝目を挙げた7月6日は、それに近かった。最初の7イニングは大谷、最後の1イニングはイグレシアスが投げ、その間の1イニングをマイク・マイヤーズがつないだ。

筆者作成
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 ちなみに、ジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)とコービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)の2人は、奪三振率と与四球率のどちらもトップ10に入っている。デグロームは奪三振率14.28も与四球率1.08も1位。バーンズは奪三振率13.13が2位、与四球率1.50は3位だ。一方、ザック・デイビーズ(シカゴ・カブス)はどちらもワースト10入り。奪三振率5.73も与四球率4.81もワースト4位だ。この3人はそれぞれ、防御率1.08(1位)、防御率2.16(6位)、防御率4.35(72位タイ)を記録している。

 なお、前半戦に大谷が打者として記録した各スタッツの順位については、こちらで書いた。

大谷翔平の「前半戦1位」は33本塁打だけでなく…。OPS1.062は2位

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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