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今シーズン最長の「24試合連続安打」を継続して後半戦へ。エンジェルスの球団記録まであと4試合

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 2, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月13日以降、デビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)は、どの試合でもヒットを打っている。7月11日に24試合連続安打とし、ストリークを継続したまま、オールスター・ブレイクを迎えた。

 ジョー・ディマジオが1941年に記録した、史上最長の56試合連続安打と比べると、フレッチャーのストリークはその半分にも達していない。けれども、今シーズンのメジャーリーグでは最長。エンジェルスの球団記録にも、迫りつつある。

 エンジェルスで最も長くヒットを打ち続けたのは、1998年のギャレット・アンダーソンだ。28試合連続安打を記録した。アンダーソンとフレッチャーの間には、1982年に25試合連続安打のロッド・カルーしかいない。

筆者作成
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 ここから、フレッチャーがどの試合も欠場せず(雨天順延もなく)、ストリークを伸ばしていくと、7月16日にカル-、19日にアンダーソンと並び、20日に新記録を樹立する。

 今シーズン、フレッチャーは1番打者としての出場が最も多い。ただ、開幕から調子が上がらず、5月15日から6月26日までは9番打者として起用された。その途中で本来のバッティングを取り戻したのは、積極的に打っていくようにしたことが功を奏したらしい。スタットキャストによると、5月下旬からスウィング率が上がっている。代わってリードオフを務めていたジャスティン・アップトンの離脱もあり、6月27日に9番から1番へ戻された。

 6月1日以降にフレッチャーが記録した打率.381(134打数51安打)は、このスパンに100打席以上の200人(両リーグ)のなかで最も高く、他には打率.360以上の選手もいない。ストリーク中の打率は.439(98打数43安打)だ。また、7月9日と11日には、今シーズン1本目と2本目のホームランも打った。ちなみに、今シーズンに300打席以上の119人中、2本塁打は最少タイ。エンジェルスの1・2番には、どちらも1994年生まれながら、パワーの点では対照的な2人、フレッチャーと大谷翔平が並ぶ。

 なお、30試合以上の連続安打は、2016年にフレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)が30試合連続安打を記録したのを最後に途絶えている。【追記:7/20】シーズンをまたぐストリークを含めると、ウィット・メリフィールド(カンザスシティ・ロイヤルズ)が2018年9月10日~翌年4月10日に31試合連続安打を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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