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ウィンカーの「1試合3本塁打」は約半月に2度。過去には、後にNPBでプレーした選手が6日間に2度

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェシー・ウィンカー(シンシナティ・レッズ)Jun 6, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月6日、ジェシー・ウィンカー(シンシナティ・レッズ)は、1試合に3本のホームランを打ち、ナ・リーグ本塁打トップの2人、17本のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)とフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)に並んだ(6月8日にアクーニャJr.が18本目)。

 ウィンカーは、メジャーリーグ5年目の27歳だ。昨シーズンまでの通算本塁打は42本。シーズン本塁打は、2019年の16本が最も多かった。

 今シーズンは、自己最多を早くも更新。それまで皆無だった1試合3本塁打は、2度を数える。2度目の1試合3本塁打は、1度目の5月21日から数えて14試合目。約半月のスパンだ。

 だが、上には上がいる。イライアス・スポーツ・ビューローによると、1試合3本塁打以上から次の1試合3本塁打以上までのスパンが最も短かったのは、1982年のダグ・デシンセイによる、5試合(6日間)だという。調べたところ、ウィンカーの14試合は7番目の短さだった。

筆者作成
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 この年のデシンセイは、カリフォルニア・エンジェルスでプレーし、8月3日と8日に1試合3本塁打を記録した。シーズン全体では30本塁打。これは、自己最多だ。デシンセイはロング・ヒッターではなく、25本塁打以上のシーズンも、他には前後に1度ずつ、1978年の28本と1986年の26本しかない。

 選手生活の最後を過ごした、1988年のヤクルト・スワローズでは、20本塁打に1本届かなかった。ただ、こちらの理由としては、腰痛を悪化させて8月下旬に帰国し、そのまま復帰できなかったことが挙げられる。1試合3本塁打はなかったものの、前半戦に18本のホームランを打ち、6月15日と18日には、2試合続けて逆転サヨナラ本塁打を記録した。

 なお、1試合3本塁打以上のシーズン最多は3度。20年前にサミー・ソーサが記録した。今シーズン、ウィンカーがソーサに並ぶチャンスは、あと100試合以上残っている。

 また、1試合3本塁打以上の通算最多は6度だ。それについては、こちらで書いた。

ベッツが6度目の「1試合3本塁打」でMLB最多に並ぶ。NPBにはその上がいて…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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