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ジュニアの時代!? 17本塁打でトップの3人は、アクーニャJr.とタティースJr.にゲレーロJr.

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)Jun 1, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月3日、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)の打球は、ジャンプしたセンターのグラブを弾き、フェンスを越えた。グラブに触れなくても、ホームランになっていたように思える。いずれにせよ、タティースJr.はシーズン本塁打を17本とし、ナ・リーグ・トップのロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)に並んだ。

 一方、ア・リーグのトップも、同じく17本塁打だ。こちらは、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が、単独1位に立っている。

 名前の最後にJr.(ジュニア)とあることからわかるとおり、彼らは同名の父を持つ。いずれの父も、プロのベースボール・プレーヤーだった。

 もっとも、そのキャリアは三者三様だ。

 ゲレーロJr.の父は、殿堂入りしている。449本のホームランを打ち、2001~02年は、モントリオール・エクスポズで2シーズン続けて30-30を達成。2002年は、40-40まであと1本塁打に迫った。2004年には、アナハイム・エンジェルスでMVPを受賞した。選球眼は皆無に等しいバッドボール・ヒッター(悪球打ち)で、ライトからの送球は正確とは言えなかったものの、洗練されて小さくまとまることのない、パワフルな5ツール・プレーヤーとして、いつもワクワクさせてくれた。

 タティースJr.の父は、準レギュラーの三塁手といったところだ。メジャーリーグでプレーした11シーズン中、500打席以上は2シーズンしかない。だが、1999年はセントルス・カーディナルスの正三塁手として、34本塁打と21盗塁を記録し、球史にも名を残した。1イニングに2本のグランドスラムを打った選手は、他に誰もいない。

 ゲレーロJr.の父とタティースJr.の父は、2001~03年にエクスポズでともにプレーした。アベック本塁打も記録している。

 アクーニャJr.の父は、メジャーデビューできなかった。俊足の外野手で、2000~02年にマイナーリーグで3シーズン続けて30盗塁以上を記録したが、二桁本塁打のシーズンは皆無。アクーニャJr.の祖父、ロムアルド・ブランコも、1970年代にマイナーリーグでプレーした。こちらは、右投手だった。

 なお、父3人の現在の年齢は、ドミニカンのゲレーロとタティースが46歳。ベネズエランのアクーニャは、今月末に42歳となる。息子3人は、ゲレーロJr.とタティースJr.が22歳、アクーニャJr.は23歳だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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