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幻のキャップ!? お宝!? NEW ERAの新シリーズが数時間でオンライン・ストアから姿を消す

宇根夏樹ベースボール・ライター
どの選手もNEW ERAのキャップをかぶってプレーする Jan 8, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月25日、MLBのオフィシャル・サプライヤーであるNEW ERA(ニューエラ)は、「MLBローカル・マーケット・フィッティッド・キャップ」という新シリーズのキャップをリリースした。

 このキャップには、チームのロゴに加え、エリア・コード(市外局番)、名物、優勝した年のワールドシリーズのロゴなどがあしらってある。

 それぞれにデザインの異なる、30チームのキャップが存在したらしい。リリースから数時間後、このシリーズは、NEW ERAのオンライン・ストアから姿を消した。

 爆発的な人気を博し、瞬く間にソールド・アウトになった……からではない。そもそも、売り切れたのであれば、増産すればいい。

 ツイッターには、このキャップに対する批判や嘲笑が飛び交った。「アトランタの名物の一つがUFO?」「オークランド・アスレティックスとロサンゼルス・エンジェルスとロサンゼルス・ドジャースのタコスはどれも同じ」などなど。ヒューストン・アストロズのキャップの画像を加工し、ゴミ缶を加えたツイートもあった。

 これらは、まだいい。名物に何を選ぶか(何を選ばないか)についての正解はない。

 問題は、エリア・コードだ。例えば、タンパベイ・レイズのキャップには「813」と記されている。タンパのエリア・コードだ。だが、レイズが本拠地とするトロピカーナ・フィールドは「727」のセントピーターズバーグに位置する。また、ピッツバーグ・パイレーツのキャップには――パイレーツのファンはどこにもいないという意味ではないだろうが――エリア・コードが一つも記されていない。

 端的に言うなら、やらかしてしまった、ということだ。

 エリア・コード(とデザイン)を変更し、再びこのシリーズのキャップを売り出すのかどうかは、今のところ、判明していない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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