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「200登板以下で100勝」の投手は、通算何勝を挙げた!? 田中将大は177登板で100勝

宇根夏樹ベースボール・ライター
田中将大 FEBRUARY 27, 2009(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、史上2番目に少ない登板数で100勝に到達した。田中の177登板は、ビクトル・スタルヒンの165登板に次ぎ、藤本英雄と並ぶ。

 200登板以下で100勝は、菅野智之(読売ジャイアンツ)が9人目、田中は10人目だ。210登板以下の場合、それぞれ14人目と15人目となる。

筆者作成
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 田中の場合、99勝と100勝の間に、メジャーリーグで投げた7シーズンを挟んでいる。15人のうち、松坂大輔(埼玉西武ライオンズ)、上原浩治和田毅(福岡ソフトバンクホークス)、岩隈久志もメジャーリーグで登板したが、4人とも、メジャーリーグ時代は、NPBで100勝以上を挙げた後だ。

 15人中、スタルヒンと別所毅彦は、100勝のマイルストーンにとどまらず、200勝と300勝にも到達した。藤本と野口二郎も、100勝目を挙げた後、さらに100勝以上を積み上げた。いずれも、半世紀以上前に選手生活を終えた。

 彼らに次いで通算勝利が多いのは、187勝の杉浦忠だ。こちらは1970年まで投げた。メジャーリーグで挙げた白星も合算すると、現時点で日米178勝の田中は、ともに日米170勝の松坂と岩隈を上回り、この15人のなかでは杉浦に次ぐ。

 ちなみに、NPBで100勝を挙げるまでの登板数の少なさではなく、100勝に到達した時点の若さで並べると、トップ15のうち9人が通算200勝以上を記録している。なお、スタルヒン、野口、杉浦の3人は、登板数も若さも、トップ15にランクインする。

 田中は、日米200勝まであと22勝だ。このマイルストーンは、野茂英雄(NPB78勝/MLB123勝)と黒田博樹(NPB124勝/MLB79勝)が達成している。野茂はMLBで日米200勝目を挙げ、黒田はNPB復帰後に到達した。田中が日米200勝をどちらで達成するのかはわからないが、あと4勝を挙げると、石井一久の日米182勝(NPB143勝/MLB39勝)に並ぶ。こちらは、東北楽天の監督を務める石井の目の前で記録するはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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