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父が「1イニングに満塁本塁打2本」を打った記念日に息子は同じ球場で…

宇根夏樹ベースボール・ライター
フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)Apr 23, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1999年4月23日、セントルイス・カーディナルスでプレーしていたフェルナンド・タティースは、球史に名前を刻んだ。ドジャー・スタジアムで行われた試合に「4番・三塁」として出場し、3回表に2本の満塁本塁打を打った。1イニング2本のグランドスラムは、後にも先にも、タティースしか記録していない。

 22年後の同じ日、2021年4月23日。息子のフェルナンド・タティースJr.――22年前の1月に生まれた――は、ドジャース・スタジアムの試合に、サンディエゴ・パドレスの「1番・遊撃」として出場した。そして、同じイニングでもグランドスラムでもないものの、2本のホームランを記録した。3回表と5回表にソロ本塁打を打った。

 ちなみに、父と同じ3回表のホームランは、先頭打者のダルビッシュ有が一塁ゴロに討ち取られた直後。タティースJr.に続いてトレント・グリシャムもヒットを打ったが、そこから2人が凡退し、タティースJr.にこのイニング2度目の打席は回ってこなかった。5回表は、タティースJr.の前の2人とグリシャムがアウトになった。

 タティースJr.は、2年前にメジャーデビューした。4月23日にドジャー・スタジアムでプレーするのは、今シーズンが初めてだ。2019年4月23日はホーム・ゲーム。2020年は新型コロナウイルスのパンデミックにより、開幕が7月下旬までずれ込んだ。

 今年2月、タティースJr.はパドレスと14年3億4000万ドルの延長契約を交わした。この契約は、2034年まで続く。ロサンゼルス・ドジャースとパドレスは、どちらもナ・リーグ西地区のチーム。4月23日にタティースJr.がドジャー・スタジアムでホームランを打つ機会は、これからも何度かありそうだ。

 タティースJr.の1試合2本塁打――1イニング2本はない――は、通算4度目。その4度目だけでなく、1度目の2019年7月7日も、ドジャー・スタジアムで記録している。

 通算949試合で113本塁打の父よりも、息子はパワーがある。デビューから156試合で43本塁打は、父の約4倍だ。最初の156試合に出場した時点で、父のホームランは11本だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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