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元・読売のキャプラーが史上初の「監督200勝200敗」。他の現役監督は400試合の時点で何勝何敗!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲーブ・キャプラー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Apr 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月17日、サンフランシスコ・ジャイアンツのゲーブ・キャプラー監督は、通算200敗目を喫した。フィラデルフィア・フィリーズの監督だった2018~19年に163敗、2020年からジャイアンツの監督として37敗だ。

 その2日後、キャプラーは、ジャイアンツの監督に就任後、初めて訪れたフィリーズの本拠地で、試合前にファンからブーイングを浴び、通算200勝に到達した。こちらは、フィリーズの監督時代に161勝、ジャイアンツへ移ってから39勝だ。

 190勝194敗で開幕を迎え、4月14日の試合に勝った時点では198勝198敗。そこからの4試合は、●●○○だ。スタッツ社によると、これまで、采配を振った最初の400試合で200勝200敗の監督は、一人もいなかったという。

 現役監督のうち、16人は、キャプラーよりも多くの試合で指揮を執っている。そのうち、400試合の時点で勝ち越していた監督は7人、負け越していた監督は9人だ。この他、アーロン・ブーン(ニューヨーク・ヤンキース)、デーブ・マルティネス(ワシントン・ナショナルズ)、アレックス・コーラ(現ボストン・レッドソックス)の3人は、すでに200勝以上を挙げていて、まだ200敗には達していない。彼らを含めると、400試合時点の勝ち越しは10人、負け越しは9人となる。それぞれの勝敗は、監督その人よりも率いるチームによるところが大きいが、キャプラーの200敗と200勝は、彼らと比べて、早くも遅くもない。

筆者作成
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 キャプラーはここまで、2018年が80勝82敗でナ・リーグ東地区3位、2019年が81勝81敗で4位、2020年は29勝31敗でナ・リーグ西地区3位。3シーズンとも、ポストシーズンへ進んでもおかしくなかったが、終盤の失速によって勝ち越しすら逃している。

 ちなみに、キャプラーと同じように、読売ジャイアンツでプレーし、後にメジャーリーグで監督を務めたデービー・ジョンソンは、最初の400試合で242勝158敗だった。1984年からニューヨーク・メッツで采配を振り、通算200勝に到達した1986年に初のポストシーズン進出(地区優勝)を果たし、ワールドシリーズ優勝も飾った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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