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「Mr.スマイル」は「10年3億2500万ドル」の申し出を受け入れるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)Mar 16, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・メッツは、フランシスコ・リンドーアに10年3億2500万ドルの延長契約を申し出たようだ。MLBネットワークのジョン・ヘイマンらが報じている。

 今年1月、メッツは4選手と交換に、クリーブランド・インディアンズからリンドーアとカルロス・カラスコを獲得した。このままいくと、リンドーアは今シーズン終了後にFAとなる。その前に、メッツはリンドーアと延長契約を交わそうとしている。リンドーアはメッツに、交渉は開幕までしか行わない、と伝えている。

 メッツが描いているシナリオは、1年前のムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)と同じだ。昨年2月、ドジャースは3選手と引き換えに、ボストン・レッドソックスからベッツとデビッド・プライスを獲得した。この時点で、ベッツはFAまで1シーズンだった。ドジャースは開幕直前の7月下旬に、12年3億6500万ドルの延長契約でベッツをつなぎ止めた。

 4月1日の開幕まで、残された時間は少ないが、リンドーアはこの申し出を受け入れ、「Mr.スマイル」のニックネームどおり、晴れやかな笑顔を見せるのではないだろうか。

 リンドーアがナ・リーグでプレーするのは、今シーズンが初めてだ。これまではインディアンズ一筋だったので、ニューヨークだけでなく、大都市を本拠としたこともない。そういったことがプレーに影響するとは限らないが、今シーズンの成績が芳しくなければ、FAとなった際、契約を検討する球団にとって懸念材料の一つになりかねない。

 また、リンドーアと同じく遊撃を定位置としていて、今シーズン終了後にFAとなる(予定の)選手は少なくない。コリー・シーガー(ドジャース)、カルロス・コレイア(ヒューストン・アストロズ)、ハビア・バイエズ(シカゴ・カブス)、トレバー・ストーリー(コロラド・ロッキーズ)……。ざっと挙げただけでも、錚々たる顔ぶれが並ぶ。リンドーアと契約したくとも、そのために3億2500万ドル以上もかかるなら、それよりも少ない金額で手に入れられる遊撃手にしようと考える球団もあるだろう。

筆者作成
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 なお、メッツがリンドーアに提示した契約の総額は、史上5位に位置する。マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の12年4億2650万ドル、ベッツの12年3億6500万ドル、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)の14年3億4000万ドル、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)の13年3億3000万ドルに次ぎ、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)の13年3億2500万ドルと並ぶ。メッツの球団史上トップ2は、デビッド・ライトの8年1億3800万ドルとジェイコブ・デグロームの5年1億3750万ドルなので、リンドーアに申し出た契約の総額は、その合計を上回る。

 各球団の契約の最高総額については、こちらで書いた。

オールスター捕手が球団史上最高額の契約をゲット。各球団の最高額は? 次に球団記録を塗り替えるのは?

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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