Yahoo!ニュース

「シーズン安打の球団記録」を持つ選手。中日は福留孝介と大島洋平。東京ヤクルトは195安打が球団4位

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、青木宣親、イチロー、内川聖一 MARCH 23, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 昨シーズン、東北楽天ゴールデンイーグルスの鈴木大地は、パ・リーグ3位の141安打を記録した。120試合で141安打なので、1試合平均は1.175安打だ。これと同じペースで143試合だったとすると168安打(168.025安打)となり、東北楽天の球団最多、2008年にリック・ショートホセ・フェルナンデスが揃って記録した163安打を上回る。

 だが、他球団の場合、シーズン安打の球団最多に並ぶには、東北楽天に次いで少ない中日ドラゴンズでも、186安打が必要だ。こちらは、球団に在籍中の2選手が1位。福留孝介が2002年に186安打を記録し、それまで最多だった坪内道典(1949年)の177安打を追い抜いたのに続き、大島洋平が2014年に福留と並んだ。ちなみに、大阪近鉄バファローズの最多は、近鉄時代の1987年に新井宏昌が記録した184安打だ。

筆者作成
筆者作成

筆者作成
筆者作成

 パ・リーグ3球団とセ・リーグ2球団の最多は、200安打を超える。東京ヤクルトスワローズは、球団トップ3がいずれも200安打以上。1位が青木宣親(2010年)の209安打、2位がアレックス・ラミレス(2007年)の204安打、3位は青木(2005年)の202安打だ。川端慎吾(2015年)の195安打は日本プロ野球の歴代9位タイながら、球団トップ3にも入っていない。追い越されたのではなく、195安打を記録した時点でも、現在と同じ球団4位だった。近年の東京ヤクルトのトップは、ラミレス(2003年)の189安打→青木(2005年)の202安打→ラミレス(2007年)の204安打→青木(2010年)の209安打と変遷している。

 また、埼玉西武ライオンズのトップ10は、秋山翔吾(現シンシナティ・レッズ)と松井稼頭央の2人に占められている。秋山は、2015年の216安打が球団1位(日本プロ野球最多)、2018年の195安打が2位、2017年の185安打が4位、2019年の179安打が5位タイ。松井は、2002年の193安打が3位、1998年と2003年の179安打が5位タイ、1997年と1999年の178安打が8位タイ、2000年の177安打が10位だ。この2人以外では、2018年に175安打の浅村栄斗(現・東北楽天)が最も多い。通算安打の球団記録を持つ栗山巧(1926安打)は、2010年の172安打がシーズン最多だ。

 シーズン本塁打の球団トップ3については、昨年3月にこちらで書いた。今のところ、順位は変動しておらず、シーズン安打のトップ3とはまったく違う選手が並んでいる。

シーズン本塁打の球団記録。半世紀以上前に、野村と王が打ち立てた記録は今もなお最多

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事