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直近5年に満塁本塁打を「最も多く打った打者」と「最も多く打たれた投手」。歴代最多の中村剛也は2位

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホセ・ロペス March 18, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 直近の5シーズン、2016~20年の満塁本塁打は計192本を数える。このスパンに最も多くの満塁本塁打を打ったのは、6本のホセ・ロペスだ。2016年と2017年、2020年が1本ずつ、2019年は3本。横浜DeNAベイスターズ(2015~20年)で記録したこの6本に加え、ロペスは読売ジャイアンツ(2013~14年)でも満塁本塁打を2本打っている。2010年にシアトル・マリナーズで記録した2本を含めれば、日米で計10本だ。ちなみに、マリナーズ時代の満塁本塁打は、生還させた走者3人のうち2人が共通する。2本とも、イチローショーン・フィギンスが塁上にいた。

 ロペスに次ぐ5本の3人中、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)は通算21本。歴代2位の王貞治よりも6本多い。同じく5本の山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)は、2017年から4年連続。継続中のストリークでは最も長い。

 4本のブランドン・レアード(現・千葉ロッテマリーンズ)も、2016年の日本シリーズで打った1本を含めると、この5年間に5本となる。また、アルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンクホークス)は2017年と2019年に各1本だが、こちらは2018年のクライマックス・シリーズと2020年の日本シリーズでも1本ずつ打っているので、5年間の合計は4本だ。

 一方、このスパンに最も多くの満塁本塁打を打たれたのは、5本の岩貞祐太(阪神タイガース)だった。なかでも、2016年の3本は、6月3日、6月19日、7月3日。ほぼ1ヵ月に集中していた。

筆者作成
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 なお、このスパンに、同じ投手から2本以上の満塁本塁打を打った打者は皆無。同じ打者に2本以上の満塁本塁打を打たれた投手もいなかった。192本とも、打者と投手の組み合わせは違っていた、ということだ。ただ、藤浪晋太郎(阪神)は2016年と2020年に満塁本塁打を1本ずつ打たれ、その間の2018年に満塁本塁打を1本打った。このスパンの前にも、藤浪は2014年に満塁時の被本塁打が1本。これまでの偶数年はいずれも、満塁本塁打を打つか打たれるかしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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