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田中将大の前に、メジャーリーグから日本プロ野球へ戻った先発投手たちの「復帰1年目」

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、和田毅、岩隈久志、内川聖一 NOVEMBER 15, 2014(写真:アフロスポーツ)

 メジャーリーグ(MLB)でプレーした後、日本プロ野球(NPB)へ戻った日本人選手は、今オフ、東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰した田中将大を含めなくても、40人を超える。

 彼らのうち12人は、NPB復帰1年目に先発投手として5試合以上に登板した。規定投球回をクリアしたのは4人。2003年の伊良部秀輝、2006年の石井一久、2015年の黒田博樹、2016年の和田毅(福岡ソフトバンクホークス)がそうだ。和田は15勝を挙げ、2010年(17勝)に続き、2度目の最多勝投手となった。

筆者作成
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 NPB復帰1年目に記録した防御率のリーグ順位は、伊良部が9位(3.85)、石井が12位(3.44)、黒田が7位(2.55)、和田は8位(3.04)。その前にNPBで投げた、MLBの球団と契約する直前のシーズンは、1996年の伊良部が1位(2.40)、2001年の石井が8位(3.39)、2007年の黒田が9位(3.56)、2011年の和田は3位(1.51)だった。和田の上には、田中(1.27)と現サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有(1.44)がいた。4人中3人は直前と復帰の球団が同じ――田中もそう――だが、伊良部は千葉ロッテマリーンズと阪神タイガース。球団だけでなく、リーグも違った。

 なお、2015年の松坂大輔(現・埼玉西武ライオンズ)と2019年の岩隈久志は、一軍登板がないまま、NPB復帰1年目を終えた。岩隈はNPBへ戻った後、一軍で一度も投げることなくユニフォームを脱いだ。

 また、2003年のマック鈴木と2008年の多田野数人は、2人ともNPBの球団に在籍するのは初めてだったので、NPBへ戻ったわけではない。この年、鈴木は19先発と10救援で防御率7.06、多田野は19先発で防御率4.78を記録した。一方、2017年の村田透(北海道日本ハムファイターズ)も一軍1年目ながら、クリーブランド・インディアンズと契約する前は、読売ジャイアンツに在籍していた。

 NPBへ戻った日本人メジャーリーガーの復帰球団については、昨オフにこちらで書いた。

日本人メジャーリーガーのNPB復帰。彼らは元の球団に戻るのか、それとも違う球団へ!? 牧田和久は後者

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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