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「ドラフト1巡目の右投手」と「ドラフト1巡目の右投手」を交換。年齢はどちらも27歳

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロバート・スティーブンソン(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先月下旬、シンシナティ・レッズとコロラド・ロッキーズは、2対2のトレードを成立させた。レッズはジェフ・ホフマンケース・ウィリアムズの右投手2人を獲得し、ロッキーズは右投手のロバート・スティーブンソンと外野手のジェムソン・ハンナを手に入れた。

 彼らのうち、2人はメジャーデビューしていない。ウィリアムズは2020年のドラフト4巡目・全体110位、ハンナは2018年の2巡目・全体50位だ。

 残る2人は、ホフマンが2014年の全体9位、スティーブンソンは2011年の全体27位。ドラフト1巡目の右投手というだけでなく、彼らは共通点が多い。現在の年齢はどちらも27歳。1993年の1月と2月に生まれた。2016年の開幕前には、ベースボール・プロスペクタスのプロスペクト・ランキングで24位と30位に挙げられ、どちらもこの年にメジャーデビューした。

ジェフ・ホフマン
ジェフ・ホフマン写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ここまでは、どちらも期待に見合う結果を残せていない。5シーズンの通算成績は、ホフマンが68登板(38先発)の計230.2イニングで防御率6.40、スティーブンソンは104登板(22先発)の計208.0イニングで防御率5.15。それぞれ16敗と13敗を喫し、ともに10勝と1セーブを記録している。2人とも、95マイル前後の4シームを投げ、ホフマンはカーブとチェンジアップにスライダー、スティーブンソンはスライダーにスプリッターも交える。

 両球団の本拠地、レッズのグレートアメリカン・ボールパークとロッキーズのクアーズ・フィールドは、いずれも打者有利な球場だ。この点からすると、理想的な新天地とは言い難い。とりわけ、レッズからロッキーズへ移るスティーブンソンにとってはそうだ。

 ただ、移籍によって変わるのは、本拠地だけではない。シンシナティ・エンクワイアラーのボビー・ナイテンゲールによると、ニック・クラールGMは「環境の変化は、2人のどちらにもうまく作用するかもしれない」と語ったという。来シーズンは28歳。開花するのに、遅すぎる年齢ではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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