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アレナードの8年連続ゴールドグラブよりも長い「連続受賞者」たち。イチローは10年連続

宇根夏樹ベースボール・ライター
N.アレナード(左)とS.コール三塁コーチ Jul 31, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 コロラド・ロッキーズの三塁手、ノーラン・アレナードは、メジャーリーグ1年目の2013年から、どの年もゴールドグラブを手にしている。今年の受賞により、そのストリークは8年に伸びた。

 これまでに最も長く受賞し続けた2人、三塁手のブルックス・ロビンソンと投手のジム・カットと比べると、アレナードのストリークはまだ半分だ。ちなみに、10年連続のイチローは、日本プロ野球のゴールデン・グラブも併せると、1994年から2010年まで、17年連続となる。

 彼らを含め、アレナードよりも長い9年以上の連続受賞は、17人を数える。ロビンソンだけでなく、9年連続のマイク・シュミットも、アレナードと同じ三塁手だった。

筆者作成
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 ただ、アレナードのストリークは、継続中では最も長い。それに次ぐのは、ロサンゼルス・ドジャースの外野手、ムーキー・ベッツの5年連続だ。ヒューストン・アストロズの投手、ザック・グレインキーは、2014年から昨年まで6年続けて受賞していたが、今年はファイナリストの3人にも入らなかった。

 過去4年のベッツは、ボストン・レッドソックスの外野手としてゴールドグラブを受賞した。グレインキーは、2014~15年がドジャース、2016~19年はアリゾナ・ダイヤモンドバックスだ。2019年は、夏にナ・リーグのダイヤモンドバックスからア・リーグのアストロズへ移ったが、ナ・リーグのゴールドグラブに選ばれた。

 また、アレナードは、2008~15年に8年連続のヤディアー・モリーナに並んだ。こちらは、現役選手の最長だ。セントルイス・カーディナルスで捕手を務めてきたモリーナは、2018年も受賞。今シーズンの終了とともに、FAになった。

 なお、今年の受賞者のうち、カンザスシティ・ロイヤルズでレフトを守ってきたアレックス・ゴードンも、アレナードと同じく8度目の選出だ。2011~14年と2017~20年にそれぞれ4年連続で受賞。今シーズン限りで選手生活にピリオドを打つ。

 一方、アレナードがロッキーズと交わしている8年2億6000万ドルの契約は、2026年まで続く。この契約が満了するまでゴールドグラブを受賞し続けると、ストリークはロビンソンとカットに次ぐ、歴代3番目の長さとなる。

 アレナードは、過去3年続けてプラチナグラブも受賞している(写真のトロフィーは、左がゴールドグラブ、右がプラチナグラブ)。こちらは2011年にスタート。全ポジションのゴールドグラブ受賞者のなかから、ファン投票によって各リーグ1人が選ばれる。受賞回数はモリーナの4度(2011~12年と2014~15年)が最も多いが、ストリークはアレナードが最長だ。今年の受賞者は、11月6日に発表される。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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