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史上2人目の「ポストシーズン200奪三振」に続き、5日後には歴代トップに立つ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)Oct 20, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)のポストシーズン通算奪三振が、200を超えた。ワールドシリーズの第1戦に8奪三振を記録し、その数は193から201へ。5回表にウィリー・アダメス(タンパベイ・レイズ)から奪った三振で200の大台に乗せ、それとともに、歴代2位にいたジョン・スモルツを追い抜いた。

 昨年、カーショウは、リリーフとして投げたディビジョン・シリーズ第5戦で同点に追いつかれ、チームも敗れてポストシーズンを終えた。この時点では、通算170奪三振。173奪三振のロジャー・クレメンスに次ぐ、歴代5位に位置していた。そこから1年後、ワイルドカード・シリーズ第2戦の13奪三振でアンディ・ペティートに並び、ディビジョン・シリーズ第2戦の6奪三振とリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第4戦の4奪三振を経て、ワールドシリーズ第1戦でマイルストーンに到達した。

筆者作成
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 この上には、205奪三振のジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)しかいない。あと1度、先発マウンドに立てば、抜き去る可能性はかなり高い。中4日なら、第5戦がその試合だ。これまでの3シリーズと違い、ワールドシリーズは、第2戦と第3戦、第5戦と第6戦の間にオフがある。すべての試合をグローブライフ・フィールドで行い、移動はしないものの、スケジュールとしては例年のワールドシリーズと同じだ。

 ただ、カーショウがバーランダーを上回るのは、来年以降になるかもしれない。カーショウの快投もあり、ドジャースは第1戦に勝利を収めた。そこから4連勝すると、シリーズは終わる。この場合、先発かリリーフを問わず、カーショウが再び登板することはないはずだ。

 もっとも、ワールドシリーズで優勝できれば、ポストシーズンの通算奪三振でトップに立つのが先延ばしになっても、カーショウは気にしないだろう。

 なお、今年もそうだったが、来年のポストシーズンでバーランダーが奪三振を増やすことはない。9月末にトミー・ジョン手術を受け、復帰は2022年となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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