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本塁打をキャッチした選手が、登板して勝利を締めくくる

宇根夏樹ベースボール・ライター
トラビス・ダーノー(左)とマーク・マランソン Oct 12, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスとロサンゼルス・ドジャースの顔合わせとなった、ナ・リーグのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、ブレーブスが白星スタートを切った。1対1の同点で迎えた9回表に2本のホームランなどで4点を挙げ、その裏はクローザーのマーク・マランソンが、イニングの先頭打者から3人続けて内野ゴロに討ち取った。

 その直前に、マランソンはホームランをキャッチした。チームメイトのオジー・オールビースが打ったボールは、左中間へ。ブルペンで投球練習を始めていたマランソンは、そこから一歩も動かず、グラブをはめた左手を伸ばして打球を捕った。

 このホームランによって、ブレーブスのリードは2点から4点に広がったため、マランソンにはセーブがつかなかった。だが、それ以上に大事なチームの勝利は、より確実なものとなった。

 ブルペンでホームランをキャッチしたのは、マランソンが初めてではない。ランディ・ロサリオ(カンザスシティ・ロイヤルズ)も、その一人だ。昨シーズン、9月までシカゴ・カブスに在籍していたロサリオは、3月31日の試合で、チームメイトのカイル・シュワーバーが打ったホームランを捕った。こちらはその試合には登板しなかったものの、ブルペンで椅子に座ったまま、グラブではなくキャップを差し出してボールをキャッチした。

 ロサリオがホームランを捕ったのは、昨シーズンまでテキサス・レンジャーズが本拠地としていたグローブライフ・パークだ。一方、マランソンは、今シーズンからレンジャーズの本拠地となったグローブライフ・フィールドでホームランを捕り、試合を締めくくった。両球場のフィールドは、ほとんど同じ形状。ブルペンの位置も共通している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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