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ダルビッシュ有の「3チームでポストシーズン出場」と前田健太の「5年連続出場」はともに日本人選手2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田健太(ミネソタ・ツインズ)Sep 23, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 まもなく始まるメジャーリーグのポストシーズンには、6人の日本人選手が出場する予定だ。メジャーリーグ1年目の3人、筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)、山口俊(トロント・ブルージェイズ)、秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)は、当然ながら初出場。前田健太(ミネソタ・ツインズ)は5年連続5度目、田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)は4年連続5度目、ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)は3年ぶり4度目となる。

 彼らのうち、山口は出場せずにオフを迎える可能性もある。ブルージェイズが最初のワイルドカード・シリーズ(対レイズ)で敗退すれば、登板機会は巡ってこないかもしれない。このシリーズは、どちらかが2勝した時点で終わる。

 だが、他の5人の出場は、まず間違いないだろう。前田はワイルドカード・シリーズの初戦(対ヒューストン・アストロズ)、田中は2戦目(対クリーブランド・インディアンズ)の先発マウンドに上がる。ダルビッシュの登板も、2戦目(対マイアミ・マーリンズ)だと思われる。ちなみに、筒香のいるレイズに対して初戦で投げるのは、右投手のマット・シューメイカー(ブルージェイズ)だ。秋山の場合、レッズの初戦の相手は左投手のマックス・フリード(アトランタ・ブレーブス)なので、スターティング・ラインナップから外れてもおかしくないが、2戦目に投げるブレーブスの先発投手は、イアン・アンダーソンカイル・ライトのどちらであっても右投手だ。

 ダルビッシュはこれまでに、テキサス・レンジャーズ(2012、16年)とロサンゼルス・ドジャース(2017年)の選手として、ポストシーズンに出場している。今秋、そこにカブスが加わり、3チームでポストシーズンに出場した2人目の日本人選手となる。1人目の斎藤隆は、ドジャース(2006、08年)、ボストン・レッドソックス(2009年)、ミルウォーキー・ブルワーズ(2011年)の3チームだ。

 また、前田は2016年のメジャーデビューから5年連続のポストシーズン出場となり、日本人選手では最長の松井秀喜(2003~07年)と並ぶ。デビューからでなくても、これよりも長いストリークを持つ日本人選手はいない。そもそも、ポストシーズン出場が5度以上の日本人選手は、2009年を含めて6度の松井しかいない。ちなみに、松井のポストシーズン出場は、すべてヤンキース時代。ストリークが途切れた2008年は、ヤンキースが地区3位に沈み(当時のワイルドカードはリーグ1チーム)、ポストシーズン進出を逃した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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