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サイ・ヤング賞の行方。ア・リーグはビーバーでほぼ決まり。ナ・リーグはバウアーが有力

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレバー・バウアー(シンシナティ・レッズ)Sep 23, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ア・リーグのサイ・ヤング賞は、シェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンズ)で決まりだろう。9月23日のシーズン最終登板を終え、防御率1.63と奪三振122、8勝(1敗)は、いずれもリーグ・トップに位置している。

 勝ち星はマルコ・ゴンザレス(シアトル・マリナーズ)に並ばれる可能性もあるが、ビーバーの投手三冠は揺るがない。ダラス・カイクル(シカゴ・ホワイトソックス)は防御率1.99でシーズンを終え、他に現時点で防御率2.50未満は皆無。奪三振が三桁に達している投手は、ビーバーだけだ。

 サイ・ヤング賞がスタートした1956年以降、投手三冠は延べ13人。その全員が、サイ・ヤング賞を手にしている。

筆者作成
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 一方、ナ・リーグのサイ・ヤング賞は、トレバー・バウアー(シンシナティ・レッズ)が有力だ。中3日で登板した9月23日に、バウアーは8イニングを投げて12三振を奪い、1失点で勝利投手となった。5勝(4敗)はリーグ6位タイながら、防御率1.73と奪三振100は1位だ。

 ビーバーと違い、バウアーの二冠は確定しているわけではない。9月23日の時点で、コービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)の防御率は1.77、ジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)の奪三振は94。どちらも僅差だ。

 ただ、バウアーは、シーズン最終戦の9月27日にも、再び中3日でマウンドに上がるかもしれない。前日までにレッズのポストシーズン進出が決まっておらず、可能性も潰えていない場合だ。先発登板でなくリリーフとして投げても、バウアーがそこで好投すれば、タイトルの有無にかかわらず、投票する記者に強い印象を与えるに違いない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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