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9回にノーヒッターが途切れ、降板後に白星を「消された」のは、前田健太が何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田健太(ミネソタ・ツインズ)Aug 18, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月18日、前田健太(ミネソタ・ツインズ)のノーヒッターは、あと3アウトのところで潰えた。9回表の先頭打者が打ったボールは、ジャンプした遊撃手のグラブの上をとおり、センターの手前に落ちた。

 前田はここで降板。この時点では3点をリードしていて、シーズン4勝目が目前だったが、ツインズはそこから同点に追いつかれ、前田の白星は消えた。12回裏に、ツインズはサヨナラ勝ちを収めた。

 ステュー・ソーンリーのデータによると、21世紀に入ってから、9回にノーヒッターが途切れたのは、初安打を打たれる前に先発投手が降板していた試合――継投によるノーヒッターが9回に途切れた試合――を除くと、38度目となる。

 そのうち、勝利投手になれなかったのは、2004年7月25日のエリック・ミルトンと2010年7月10日のトラビス・ウッド、そして、今回の前田しかいない。

 ミルトンもウッドも、9回の先頭打者に二塁打を打たれ、ノーヒッターが途切れてからも投げ続けた。ミルトンは9回表に2対2の同点とされたところで降板。9回裏のサヨナラ勝ちにより、9回表に3アウト目を記録したライアン・マドソンに白星がついた。ウッドは無失点のまま9回裏を終えたが、相手の先発投手、ロイ・ハラデイも9イニングを投げて失点はなかった。2人とも延長戦のマウンドには上がらず、ウッドがいたシンシナティ・レッズは、11回裏にサヨナラ負けを喫した。

 9回にノーヒッターが途切れ、降板後に白星を「消された」のは、21世紀に入ってからは、前田が初めてということになる。

 私の見落としがなければ、前田と同じような目に遭ったのは、1994年4月13日のペドロ・マルティネスが最後だ。9回表の先頭打者にヒットを打たれ、ペドロが降板した後、モントリオール・エクスポズは2点を取られて同点にされた。エクスポズは、9回裏にサヨナラ勝ち。ペドロに続いて投げたジョン・ウェッテランドに、セーブ失敗と白星がついた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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