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「4割打者」が見えてきた!? シーズンの4分の1以上を終えて、打率4割台どころかジャスト5割

宇根夏樹ベースボール・ライター
チャーリー・ブラックモン(コロラド・ロッキーズ)Aug 11, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月11日、チャーリー・ブラックモン(コロラド・ロッキーズ)が、4打数3安打を記録した。最初の2打席ともシングル・ヒットを打ち、シーズン打率をジャスト5割とした後、3打席目はライトフライに倒れたが、4打席目の二塁打で再び打率5割に戻した。下のツイートは、前日までのスタッツだ。

 ここまで、68打数34安打。ヒットが出なかったのは、最初の2試合だけ。以降の15試合中12試合は、マルチ・ヒット(1試合2安打以上)を記録している。6月下旬には、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たものの、その影響はまったくないようだ。イライアス・スポーツ・ビューローによると、開幕から68打数以上で打率.500以上は、1997年にまったく同じ68打数34安打を記録した、ラリー・ウォーカー以来だという。当時のウォーカーもロッキーズでプレーしていたが、他チームの選手を含めても、この2人の間には誰もいない。

 ブラックモンは、開幕から17試合すべてに先発出場している。途中交代もない。残る43試合もスターティング・ラインナップに名を連ね、1試合平均の4.0打数が変わらなかったとすると、シーズン全体の打数は240となる。240打数96安打なら、打率はジャスト4割だ。そこから、すでに記録している68打数34安打を引くと、172打数62安打、打率.360が必要となる。

 これは、低いハードルではないものの、ブラックモンにとって不可能な数値ではない。例えば、昨シーズンは4月19日~6月18日の38試合で、172打数68安打、打率.395を記録している。シーズン打率.331で首位打者を獲得した2017年も、7月6日~8月26日の42試合は、172打数66安打、打率.384だった。

 なお、1997年のウォーカーは、チームが96試合を終えた時点で、打率.402(343打数138安打)を記録していた。ただ、首位打者は逃している。シーズン打率.366に終わり、トニー・グウィン(.372)の後塵を拝した。ウォーカーが首位打者を獲得したのは、1998年(.363)と1999年(.379)、2001年(.350)だ。

 現時点で、ブラックモンに次ぐナ・リーグの打率2位は、.458(59打数27安打)のドノバン・ソラーノ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だ。ア・リーグでは、2018年までブラックモンとチームメイトだったDJ・ラメイヒュー(ニューヨーク・ヤンキース)が、打率.400(60打数24安打)を記録している。打率4割以上は、この3人しかいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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