開幕1ヵ月のハイペースな打撃スタッツ。堂林の打率.434、近藤の30四球、スパンジーの37三振…
開幕から1ヵ月が過ぎた。この間、6月19日~7月19日の最も目を惹く打撃スタッツは、堂林翔太(広島東洋カープ)が記録した打率.434(83打数36安打)だろう。規定打席に達している両リーグの計72人中、唯一人の打率4割台であるだけでなく、2位の村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)とは5分4厘の差がある。パ・リーグのトップは、鈴木大地(東北楽天ゴールデンイーグルス)の打率.353だ。
まだまだ先は長いものの、堂林の打席に占める打数の割合(92.222…%)が同じままなら、ここから打率.390(259打数101安打)を記録すると、シーズン全体の規定打席(372)に達した時点の打率は4割台となる。342打数137安打、打率.401だ。
他の打撃スタッツでは、山川穂高(埼玉西武ライオンズ)の7死球も群を抜く。次いで多いのは4死球の會澤翼(広島東洋)で、3番目は3死球の木村文紀(埼玉西武)とアルシデス・エスコバー(東京ヤクルト)。山川の死球は、會澤と木村、あるいは會澤とエスコバーの合計と同数だ。
山川はチームの全25試合に出場しているので、今後も欠場することなく同じペースでぶつけられ続けると、シーズン全体の死球は30を超える(33.6死球)。そうなると、グレッグ・ラロッカ(2007年)の28死球を上回り、シーズン最多記録を樹立する。怪我のないことを祈りたい。
近藤健介(北海道日本ハムファイターズ)は、早くも30四球に達した。試合数からすると、シーズン全体では133.3四球となるペースだ。1シーズンに130四球を超えた選手は、王貞治だけ。1965年と1966年に138四球と142四球、1974年に158四球を記録した。王は敬遠四球も多く、この3シーズンのなかで最少の1965年でも29度歩かされたが、今シーズン、近藤の敬遠四球は1度きりだ。近藤はパワー・ヒッターではなく、シーズン本塁打は2018年の9本が最多。今シーズンも、まだ1本にとどまっている。
一方、コーリー・スパンジェンバーグ(埼玉西武)は、近藤が四球で出塁する以上の勢いで、三振の山を築いている。現時点の三振は37。このままのペースでいくと、シーズン170三振に達する。しかも、スパンジェンバーグの四球は3。こちらは、シーズン15四球未満のペースだ。1シーズンに170三振以上は延べ7人――そのうちの4度はラルフ・ブライアント――が記録しているが、150三振以上の延べ31人中、20四球未満は皆無。30四球未満も、2010年のクレイグ・ブラゼル(153三振&25四球)しかいない。