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最も多くの「殿堂選手」が出ているのは、どの年のドラフト?

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から4人目がT.レインズ、右端がJ.バグウェル Jul 30,2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ドラフトで指名されてプロ入りしたホール・オブ・フェイマー(殿堂選手)は、45人を数える。ジョニー・ベンチノーラン・ライアンは、1965年に初めて行われたドラフトの2巡目・全体36位と12巡目・全体295位だ。一方、ロイ・ハラデイは1995年の1巡目・全体17位。1996年以降のドラフトで入団した選手は、まだ誰も殿堂入りしていない。

 1976年と1977年、1989年のドラフトからは、それぞれ4人の殿堂選手が生まれた。これは、入団した選手のみ。その年に指名されて入団しなかった選手は、含めていない。また、1973年は最多よりも1人少ないが、ロビン・ヨーント(1巡目・全体3位)、デーブ・ウィンフィールド(1巡目・全体4位)、エディ・マリー(3巡目・全体63位)のいずれも、最初の記者投票で75%以上の票を得た。

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 各年の人数は、これから増える可能性もある。例えば、2020年度の記者投票で得票率60%以上(75%未満)の3人は、カート・シリング(70.0%)が1986年1月の2巡目・全体39位、ロジャー・クレメンス(61.0%)が1983年の1巡目・全体19位、バリー・ボンズ(60.7%)は1985年の1巡目・全体6位だ。ボンズが殿堂入りすれば、1985年は最多タイの4人となる。記者投票にかかる機会は、シリングもクレメンスもボンズも、あと2度(9度目と10度目)だ。

 記者投票で殿堂入りできなくても、今年度のテッド・シモンズ(1967年の1巡目・全体10位)のように、コミッティ(委員会)による選出もある。ただ、今年12月に2021年度の選考を行うのは「アーリー・ベースボール(~1949年)・コミッティ」と「ゴールデン・デイズ(1950~69年)・コミッティ」なので、ドラフトで入団した選手は対象にならない。「トゥディズ・ゲーム(1988年~)・コミッティ」の選考はその次の2022年度、シモンズの殿堂入りを決めた「モダン・ベースボール(1970~87年)・コミッティ」は2023年度だ。

 なお、ラウンド別の殿堂選手の人数は、1巡目の17人、2巡目の9人、3巡目の5人がトップ3。45人中、80.0%の36人が5巡目までに指名されている。20巡目以降は、ライン・サンドバーグ(1978年の20巡目・全体511位)、ジョン・スモルツ(1985年の22巡目・全体574位)、マイク・ピアッツァ(1988年の62巡目・全体1390位)の3人だ。ちなみに、2012年以降のドラフトは40巡目まで。6月10~11日に開催される今年のドラフトは、5巡目までだ。来年のラウンドも、40巡よりも少なくなるかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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