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【球団別・打撃リーダーズ 2019】「チーム三冠王」は4人。15本塁打未満の「チーム本塁打王」も

宇根夏樹ベースボール・ライター
鈴木誠也/2017年のWBC MARCH 15, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 2019年のNPBに、打率、本塁打、打点の3部門とも球団トップの「チーム三冠王」は4人いた。オリックス・バファローズの吉田正尚(.322/29本塁打/85打点)、読売ジャイアンツの坂本勇人(.312/40本塁打/94打点)、広島東洋カープの鈴木誠也(.335/28本塁打/87打点)、中日ドラゴンズのダヤン・ビシエド(.315/18本塁打/93打点)がそうだ。坂本の94打点は岡本和真と並び、ビシエドの18本塁打は福田永将と同数だが、吉田と鈴木は3部門とも単独の球団1位。鈴木は25盗塁も最多だ。また、吉田とビシエドの2人は、前年も「チーム三冠王」だった。

筆者作成
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「チーム三冠王」のうち、吉田、坂本、鈴木の3人は、3部門ともリーグ・トップ10にランクインしている。坂本はいずれも5位以内、5位、2位、4位タイだ。残るビシエドは、打率が2位、打点は6位タイながら、本塁打は13位タイ。ちなみに、ビシエドの二塁打43本は両リーグで最も多く、歴代でも13位に位置する。

 ビシエドと福田よりも本数の少なかった「チーム本塁打王」は、阪神タイガースの大山悠輔だ。14本塁打はリーグ18位。パ・リーグを含め、阪神以外の11球団には、15本塁打以上の選手が少なくとも2人はいた。

「チーム本塁打王」と同じように、「チーム盗塁王」にもバラつきがある。例えば、辰己涼介(東北楽天ゴールデンイーグルス)の13盗塁は、金子侑司(埼玉西武ライオンズ)の41盗塁と比べると、3分の1にも届かないが、彼らはどちらも「チーム盗塁王」だ。

 なお、ジュリスベル・グラシアル(福岡ソフトバンクホークス)は規定打席に達していないものの、不足分の33打席を33打数0安打としても、打率.293とOPS.884となり、松田宣浩の打率.260とアルフレド・デスパイネのOPS.875をそれぞれ上回る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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