「山羊の呪い」を解いた監督と遊撃手は、新たなチームで合流するのか
3年前、シカゴ・カブスは「山羊の呪い」を解き、108年ぶりにワールドチャンピオンへ返り咲いた。当時、ジョー・マッドンは監督としてカブスの指揮を執り、アディソン・ラッセルは遊撃を守っていた。2勝3敗で迎えたワールドシリーズ第6戦に、ラッセルは6打点を挙げた。その時に「ワールドシリーズの1試合6打点は、今年のラッセルが4人目。その価値は7年前の松井秀喜より高かった」で書いたとおり、これはワールドシリーズの1試合最多記録だ。
今オフ、2人はカブスを退団した。マッドンは5年契約の満了とともに退任し、ロサンゼルス・エンジェルスの監督に就任した。ラッセルはカブスからノンテンダーとされ(来シーズンの契約を球団から提示されず)、FAになった。
近年は精彩を欠き、DVによる出場停止も科されたが、ラッセルはまだ25歳だ。復活してもおかしくない。ドラフト順位は2012年の全体11位。2015年の開幕前には、ベースボール・アメリカなどのプロスペクト・ランキングで、軒並み全体5位以内に挙げられていた。
2015年のメジャーデビュー以来、ラッセルはマッドンの下でプレーしてきた。ただ、来シーズン、マッドンと同じユニフォームを着てプレーすることはないだろう。エンジェルスの遊撃は、名手のアンドレルトン・シモンズが守っている。二塁と三塁にも、デビッド・フレッチャー、ザック・コザート、トミー・ラステラがいる。エンジェルスはラッセルを必要としていない。
一方、こちらの監督と遊撃手は、新たなチームで再会するかもしれない。ジョー・ジラルディとディーディー・グレゴリアスだ。2015~17年の3シーズン、2人は監督と遊撃手として、ニューヨーク・ヤンキースでともに過ごした。
来シーズン、ジラルディは3年ぶりにフィールドへ戻り、采配を振る。フィラデルフィア・フィリーズの監督に就任した。グレゴリアスはヤンキースからFAに。クオリファイング・オファーの申し出はなかった。MLBネットワークのジョン・モロシによると、フィリーズはグレゴリアスと契約することを考えているという。
フィリーズの遊撃にはジーン・セグーラがいるが、二塁と三塁は空いている。セイザー・ヘルナンデスとマイケル・フランコの2人を、フィリーズはノンテンダーとした。セグーラは2016年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスで、二塁手としてプレーした。
ジラルディは、グレゴリアスの人柄も気に入っているようだ。数日前、SNY(スポーツネット・ニューヨーク)やABC(アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー)にマイクを向けられたジラルディは、グレゴリアスについて「クラブハウスにおける大きな存在」とコメントした。