Yahoo!ニュース

早くも5人のFAと契約。ブレーブスの補強はもう完了!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・マーティン(アトランタ・ブレーブス)Sep 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスが、素早い動きを見せている。オフに入って1ヵ月経たないうちに、5人のFAと契約した。サンフランシスコ・ジャイアンツからFAになったウィル・スミスを迎え入れ、ニック・マーケイキスタイラー・フラワーズダレン・オデイクリス・マーティンとは、それぞれ再契約を交わした。

筆者作成
筆者作成

 スミス、オデイ、マーティンの3人は、リリーフ投手だ。ブルペンの整備は、これでほぼ完了だろう。マーク・マランソンシェーン・グリーンルーク・ジャクソンと合わせて、6人が揃う。オデイの契約は、スミスとマーティンと比べるとかなり安いが、これは右腕の故障によって長期離脱したせいだ。

 マーケイキスを呼び戻した外野も、大きな問題はない。ただ、ブレーブスの補強は、まだ終わりではない。

 今シーズン、先発投手として15試合以上に登板した6人のうち、現在も在籍しているのは半数の3人だ。ケビン・ゴーズマンは、8月初旬にウェーバー経由でシンシナティ・レッズへ。ダラス・カイクルフリオ・テラーンは、FAとなった。テラーンの契約には1200万ドルの球団オプションがついていたが、ブレーブスは100万ドルを払って破棄した。また、三塁手のジョシュ・ドーナルソンもFAとなり、ブレーブスからのクオリファイング・オファーを却下。フラワーズとスタメンマスクを分け合っていたブライアン・マッキャンは、選手生活にピリオドを打った。

 ブレーブスが最も欲しているのは、先発投手だろう。三塁手の候補にはヨハン・カマーゴオースティン・ライリーの若手2人がいて、フラワーズを正捕手とすることも不可能ではない。ただ、ショーン・ニューカムをブルペンから先発へ戻しても、ローテーションは頭数が足りない。2年前にドラフト全体5位で指名したカイル・ライトはいるものの、メジャーリーグで結果を出すには至っていない。また、マイク・スローカマックス・フリードマイク・フォーティネビッチの3人のうち、防御率4.00未満だったのは、ルーキーのスローカ(2.68)だけだ。

 NBCスポーツのアレックス・パブロビッチによると、ブレーブスの「本命」は、スミスとチームメイトだったマディソン・バムガーナーらしい。アトランタ郊外出身のスミスほどではないが、バムガーナーの故郷もアトランタからそう遠くない。隣の州とはいえ、車で4時間くらいの距離だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事