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出場90試合に届かなくても、新人王は間違いなし!? 過去には52試合で受賞した野手も

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)Jul 5, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)のメジャーデビューは、今シーズンの6月9日だ。ここまでの出場は82試合。残り5試合すべてに出場しても、90試合に届かない。パーセントにすれば、レギュラーシーズン162試合の55%未満だ。

 それでも、アルバレスは新人王を受賞するだろう。新人王資格の有無を問わず、ア・リーグで300打席以上の140人中、打率.326は4位、出塁率.422は2位、長打率.681とOPS1.103は1位だ。27本塁打は33位タイだが、11.0打数に1本のペースは3位に位置する。

 また、ナ・リーグの新人には、50本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)や、169.2イニングで防御率2.60のマイク・スロカ(アトランタ・ブレーブス)がいるが、ア・リーグにそういった新人は見当たらない。

 イーロイ・ヒメネス(シカゴ・ホワイトソックス)は119試合に出場しているが、ホームランはアルバレスを3本上回るだけだ。打率はアルバレスより50ポイント以上低く、出塁率と長打率に至っては100ポイント以上の差がある。新人の投手も、150.0イニングで防御率3.54のジョン・ミーンズ(ボルティモア・オリオールズ)が目につく程度だ。

 卓越した成績とライバルの不在。出場試合が少なくても、アルバレスが受賞する条件は揃っている。

 過去にも、出場100試合未満で新人王を手にした野手は、5人を数える。なかでも、1959年に受賞したウィリー・マッコビーの出場は、わずか52試合だった。この年、サンフランシスコ・ジャイアンツは154試合を行ったので、その3分の1ということになる。なお、5人のうち、満票で選出されたのは、マッコビーだけだ。新人王の27年後、マッコビーは殿堂に迎え入れられた。

筆者作成
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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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