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レッドソックスのファンが、ジャイアンツのボストン遠征を待ち望む理由

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ヤストレムスキ(左)とブルース・ボウチー監督 Jul 21, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月17日から、サンフランシスコ・ジャイアンツは、ボストン・レッドソックスの本拠地、フェンウェイ・パークで3試合を行う。それを待ち望んでいるレッドソックスのファンは、特に昔からのファンであれば、少なくないはずだ。

 テッド・ウィリアムズカール・ヤストレムスキジム・ライスマイク・グリーンウェルマニー・ラミレス。彼らはいずれも、長年にわたってフェンウェイ・パークのレフトを守ってきた。グリーン・モンスターを背にして、守備についた。テッド、ヤズ、ライスの3人は、殿堂入りしている。ポジションを問わず、レッドソックスが輩出した三冠王の打者は、テッドとヤズだけだ。

 現在のジャイアンツには、ヤズの孫がいる。マイク・ヤストレムスキだ。今年3月にボルティモア・オリオールズからジャイアンツへ移籍し、2ヵ月後にメジャーデビューした。それについては、5月に「名選手のDNAを持つチームメイト。「殿堂選手の息子たち」に続き、こちらは「殿堂選手の孫と息子」」で書いた。

 祖父が最後にフェンウェイ・パークでプレーしたのは、1983年10月2日だ。この数年前から、グリーン・モンスターの前をライスに譲り、一塁手やDHとして出場していたが、この試合はヤズがレフトを守り、ライスはDHを務めた。マイクが生まれたのは1990年8月23日だが、DNAは受け継いでいる。祖父と同じく外野手のマイクは、レフトとライトをほぼ半分ずつ守っている。MLB.comのマリア・ガーダッドによると、ジャイアンツのブルース・ボウチー監督のところには、フェンウェイ・パークでマイクにレフトを守らせてほしいという電話が、何本もかかってきたという。ガーダッドはそのツイートの後半部分に、そうするかどうかについて、ボウチー監督は「わからない」と言いつつ、「いずれわかるさ」と笑みを浮かべた、と書いている。

 グリーン・モンスターの前を守らせることに、異論はないだろう。名選手の孫というだけでなく、マイクは結果も残している。19本塁打は、ジャイアンツではケビン・ピラーの21本に次いで多く、エバン・ロンゴリアと並ぶ。マイクがデビューした5月25日以降に限れば、本数は2人を上回る。マイナーリーグではシーズン15本が最多だったが、昨オフ、スウィングに変更を施した成果が出た。今シーズンはAAAの40試合で12本塁打を記録し、28歳にしてデビューを果たした。

 トレードがなく、オリオールズにいたままであれば、レッドソックスと同じア・リーグ東地区なので、フェンウェイ・パークでプレーする機会は何度もあった。けれども、ナ・リーグ西地区のジャイアンツは、この3試合のみだ。また、来シーズンは、ワールドシリーズまで進まないと、ジャイアンツはフェンウェイ・パークを訪れない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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