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デビュー登板の兄が、弟から三振を奪う。過去には、互いに投げ合った兄弟や、同じポジションを守った兄弟も

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライアン・モラン(マイアミ・マーリンズ)Sep 5, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月5日、ブライアン・モラン(マイアミ・マーリンズ)は、30歳にしてメジャーデビューを果たした。4回裏のマウンドに上がり、1イニングを投げて無失点。最初の打者を討ち取ったのに続き、4歳下の弟コリン(ピッツバーグ・パイレーツ)を三振に仕留めた。さらに、勝利投手にもなった。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、1900年以降、兄弟の一方がデビューした試合に、もう一方が相手チームの選手として出場したのは7度目。その試合で、投手と打者として対戦したのは、モラン兄弟が初めてだという。

 この7組のうち、今回のモラン兄弟と2組目のクノーテ兄弟は、弟が先にメジャーリーグでプレーした。クノーテ兄弟は、弟フリッツの初出場が1932年4月12日、兄ジョージはその13日後だった。彼らは、28歳と34歳でデビューした。他5組は兄が先。双子はいない。

 1組目のフォーク兄弟は、モラン兄弟とは反対に、兄ビブが野手、弟チェットは左投手だ。ただし、弟は1925年4月20日のデビュー戦では登板せず、代打として出場した。そして、レフトを守る兄のところへヒットを打った。

 5組目のアンダーウッド兄弟は、兄トムも弟パットも、左投手だ(7組のなかに、右投手はいない)。弟がデビューした1979年5月31日の試合で、2人は先発投手として投げ合った。合計17.1イニングで1失点。兄は完投したが、8回表にホームランを打たれて敗戦投手に。弟は9回途中まで投げて得点を与えず、勝利投手となった。DHのある試合だったので、どちらも打席には立たなかった。

 6組目のコーラ兄弟は、ともに二塁を守った。1998年6月7日の試合で、兄ジョーイはシアトル・マリナーズの「1番・二塁」として先発出場。弟アレックスは、8回裏にロサンゼルス・ドジャースの「1番・二塁」と交代し、デビューを果たした。

 現在、兄はパイレーツの三塁コーチ、弟はボストン・レッドソックスの監督だ。6組目の兄は、弟がデビューした試合に出場しただけでなく、彼らに続く7組目が誕生した試合に立ち会った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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