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1試合10奪三振以上のストリークが、意外な形で途切れる。史上最長の8試合連続には1試合届かず

宇根夏樹ベースボール・ライター
こんな形でストリークが途切れるとは…… Aug 27, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)は、メジャーリーグ記録にリーチをかけていた。7月19日から8月21日にかけて、7試合続けて奪三振10以上。ペドロ・マルティネスクリス・セール(ボストン・レッドソックス)が持つ、8試合連続の最長記録まで、あと1試合に迫っていた。

 けれども、バーランダーのストリークは、意外な形で途切れた。8月27日、6回表に二塁打を打たれたバーランダーは、直前の投球がボールと判定されたこと――ストライクであれば見逃し三振だった――に文句を言い、退場を宣告された。5.1イニングを投げて奪三振は4。そのまま投げ続けても、奪三振は二桁に届かなかったかもしれないが、バーランダーは無失点だった。2回表には、先頭打者から3人を、いずれも空振り三振に仕留めた。

 とはいえ、記録が判明する1914年以降、二桁の奪三振を7試合以上続けた投手は、バーランダーを含め、5人(延べ7人)しかいない。

筆者作成
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 バーランダーは36歳だが、ストリークを再現してもおかしくない。メジャーリーグ全体の三振が増えているのも要因だろうが、昨シーズン、バーランダーはキャリアハイとなる奪三振率12.20を記録した。今シーズンの奪三振率も11.89だ。それまでのキャリアハイは、2009年の奪三振率10.09だった。

 ちなみに、ランディ・ジョンソンは37歳の時に、奪三振10以上を7試合続けた。その6試合目は、20三振を奪った。また、ノーラン・ライアンのストリークは、バーランダーと違い、惜しいところで途切れた。8イニングを投げ、奪三振は9。試合は9回表で終わり、ライアンには完投と黒星が記録された。次の登板から、ライアンは3試合続けて二桁の三振を奪った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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