50本以上のホームランを打ちながら「本塁打王」になれなかった選手たち。MLBは9人、日本プロ野球は…
8月15日、コディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)とマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)が、それぞれシーズン40本目のホームランを打った。
どちらも、チーム123試合目。故障さえなければ、2人とも50本に達するだろう。ベリンジャーとトラウトは、翌日もホームランを叩き込んだ。
2年前に50本塁打以上を記録した2人のうち、ジャンカルロ・スタントン(59本/当時マイアミ・マーリンズ/現ニューヨーク・ヤンキース)の40号はチーム114試合目、アーロン・ジャッジ(52本/ヤンキース)は142試合目だった。
ベリンジャーとトラウトのペースは、当時のスタントンには及ばないものの、ジャッジを上回る。さらに、今シーズンは2人だけでなく、ともに39本塁打のクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)とピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)も、50本に到達してもおかしくない。
そうなると、50本以上のホームランを打ちながら、本塁打王になれない選手が出てきそうだ。トラウトはア・リーグの球団にいるが、ベリンジャー、イェリッチ、アロンゾの3人は、いずれもナ・リーグの球団に在籍している。1900年以降、3人以上が本塁打王のタイトルを分け合ったのは、1981年のア・リーグだけだ。トニー・アーマス、ドワイト・エバンス、ボビー・グリッチ、エディ・マリーの4人が、22本で並んだ(ナ・リーグの本塁打王は、31本のマイク・シュミット)。
これまで、50本塁打以上でタイトルを逃した選手は、延べ9人を数える。そこに、1997年のマーク・マグワイアは含んでいない。この年のマグワイアは両リーグ最多の58本塁打だが、ア・リーグで34本を打った後、ナ・リーグで24本を記録した。
1961年のミッキー・マントルは、チームメイトであるロジャー・マリスの後塵を拝した。1シーズンに同じチームの2人が50本塁打以上は、この年の彼らだけだ。また、ブレイディ・アンダーソン、グレッグ・ボーン、ルイス・ゴンザレスの3人は、キャリアを通して一度も本塁打王になっていない。
日本プロ野球では、2003年にアレックス・カブレラが50本のホームランを打ちながら、タフィー・ローズに1本及ばなかった。シーズン50本塁打以上を記録した他の選手は、この前年のカブレラ(55本)を含め、いずれもタイトルを手にしている。
なお、ローズとカブレラは、2001年から2003年にかけて、パ・リーグ本塁打ランキングのトップ2を独占した。それぞれのホームランは、2001年のローズが55本、カブレラは49本、2002年は46本と55本、2003年は51本と50本。この3シーズンにローズが本塁打王を2度獲得したのに対し、カブレラは1度ながら、合計本数はカブレラが2本多かった。