Yahoo!ニュース

シーズン途中に入団したリリーフ投手は9人。崩壊したブルペンを救うのは質より量!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダニー・ジャンセン(左)とダニエル・ハドソン Jul 7, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 トレード・デッドラインの7月31日に、ワシントン・ナショナルズは3人のリリーフ投手を獲得した。トロント・ブルージェイズからダニエル・ハドソン、シアトル・マリナーズからはハンター・ストリックランドヨエニス・エリーアスを手に入れた。

 開幕後にナショナルズへ移籍し、ブルペンに加わった投手は8人を数える。ブラッド・ボックスバーガーを含めれば9人だ。ボックスバーガーは7月1日にカンザスシティ・ロイヤルズから解雇され、12日にナショナルズとマイナーリーグ契約を交わした。現在はAAで投げていて、7登板で防御率1.23を記録している。近日中に、メジャーリーグ昇格を果たすと思われる。

筆者作成
筆者作成

 最初の4人は、すでにブルペンにいない。ダン・ジェニングスはロースターから外されてFAとなった後、ニューヨーク・ヤンキースと契約したが、メジャーリーグには昇格できないまま、解雇された。マイケル・ブレイゼックハビー・ゲラも、新たに加わったハドソンらに押し出される形で7月31日にロースター外に。ジョニー・ベンタースは左肩を痛めていて、復帰できずにシーズンを終える可能性もある。

 フェルナンド・ロドニーは残っているものの、ブルペンを立て直すには他にも投手が必要ということで、ナショナルズは7月末に3人を獲得した。ブルペンの防御率は6点近く、30球団のなかで最も高い。

 シカゴ・カブスとフィラデルフィア・フィリーズと並び、ナショナルズはワイルドカード・レースの1番手に位置している。これまでに加入したリリーフ投手だけでなく、7月末に移籍してきた3人も、失礼ながら質より量といった感は否めないが、彼らとロドニーとボックスバーガーは、ナショナルズの命運を握ることになりそうだ。

 ブルペン全体の防御率はともかく、クローザーのショーン・ドゥーリトルにつなぐ道筋さえ確立できれば、勝利は見えてくる。ドゥーリトルの防御率3.00もそれほど優れた数値ではないとはいえ、ナショナルズのブルペンでは最も低く、6月以降に限れば2.45だ。

 なお、今夏のトレード・デッドラインまでに、各球団が獲得した選手(メジャーリーガー)は、こちらの記事にリストを掲載した。

トレード・デッドライン総括。グレインキーを獲得したアストロズが、ワールドチャンピオンの筆頭候補に!?

 トレード・デッドラインにおける、ロサンゼルス・ドジャースの動きについては、こちら。

両リーグ最高の勝率でも、ワールドシリーズ優勝には疑問符。トレードであそこを補強するべきだったのでは…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事