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最新版の「安打製造機」が浮かび上がらせた、イチローの記録

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェフ・マクニール(ニューヨーク・メッツ)Jul 6, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジェフ・マクニール(ニューヨーク・メッツ)は、前半戦に打率.349を記録した。ベースボール・リファレンスによると、メジャーリーグ1年目あるいは2年目の前半戦に打率.345以上は、200打数以上では2002年のイチロー(.357)以来だという。マクニールは、1908年以降の延べ31人目だ。

 イチローはメジャーリーグ1年目の2001年も、前半戦に打率.345を記録している。1年目も2年目もそうだったのは、1936~37年のジョー・ディマジオ(.354/.346)とイチローだけだ。1年目の前半戦に打率.345以上も、彼らの他には3人しかいない。マクニールは、昨年7月24日にデビューした。昨シーズンの打率は、AAの57試合が.327、AAAの31試合が.368で、メジャーリーグの63試合(後半戦)は.329だった。

 また、マクニールを除く30人のうち、23人の打率は前半戦>後半戦で、1923年のフレッド・ヘイニーと1986年のレニー・ダイクストラは、シーズン打率が.300を下回った。後半戦も、前半戦と同じか、さらに高い打率を記録したのは、1937年のディマジオと2001年のイチローら7人。2001年のイチローは首位打者(.350)を獲得したが、1937年のディマジオはリーグ3位(.346)に終わった。

 現在、マクニールはナ・リーグの打率トップに立っている(両リーグでも1位)。最後までこの順位をキープすれば、こちらは2001年のイチロー以来となる、メジャーリーグ経験2年以内の首位打者が誕生する。ちなみに、2002年のイチローはア・リーグ4位(.321)。前半戦の.357に対し、後半戦は.280だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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