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史上6度目のKO。先発投手が1アウトも取れずに降板して8失点

宇根夏樹ベースボール・ライター
スティーブン・マッツ(ニューヨーク・メッツ)Apr 16, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月16日、シーズン4度目の先発マウンドに上がったスティーブン・マッツ(ニューヨーク・メッツ)は、8点を失い、ノーアウトのまま降板した。ESPNによると、先発投手が1アウトも取れずに降板して8失点は、マウンドからホームまでが現行の距離となった1893年以降、6度目のことだ。

 6度とも、打者8人に対して投げたところで降板し、敗戦投手になったことも共通している。また、相手チームはいずれも違うが、在籍していたチーム別に分けると、オークランド・アスレティックス、シンシナティ・レッズ、メッツがそれぞれ2度だ。

筆者作成
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 この日のマッツは、ホームランと二塁打を2本ずつ打たれた。4本の長打は、ポール・ウィルソンの2度目と並び、6度のなかで最も多い。だが、マッツの場合、1人目と7人目の打者は討ち取った。どちらも、遊撃手のアーメッド・ロザリオが失策を犯した。なので、マッツの自責点は6だ。

 マッツが球史に残るKOを喫したのは、たまたまかもしれない。3登板した時点の防御率は1.65だった。その防御率は、一気に4.96まで跳ね上がった。

 過去5度のうち、次の登板でクオリティ・スタートを記録したのはボビー・ジョーンズだけだが、彼も当時はメッツにいた。KOから5日後、ジョーンズは8イニングを投げて2失点に抑え、白星を挙げた。

 ローテーションどおりなら、マッツは4月22日に登板する。ただ、ジョーンズの対戦チームは変わったが、マッツが投げる相手は、次も同じフィラデルフィア・フィリーズだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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