MLB日本開幕の始球式は、誰がふさわしいのか。これまでの8試合中、元メジャーリーガーは3人
来月、日本では5度目のMLB開幕シリーズが行われる。シアトル・マリナーズとオークランド・アスレティックスが、3月20日と21日に東京ドームで対戦する。
過去の8試合中、元メジャーリーガーによる始球式は3試合しかない。2000年の開幕戦にハンク・アーロン、同じ年の第2戦にマッシー村上(村上雅則)、2012年の第2戦に佐々木主浩が投げた。
2004年と2008年の開幕戦はいずれも政治家で、それぞれの第2戦は歌舞伎俳優とゴルファーだった。2012年の開幕戦に登場したのは、前年に起きた東日本大震災の復興支援に携わる3人だ。震災で娘を亡くしたアンディ・アンダーソンさんは「テイラー・アンダーソン記念基金」を設立した。保積菜穂さんはNPO法人「ハンズオン東京」のメンバー。自身も被害に遭った高井晋次さんは「思い出は流れない写真救済プログラム」を立ち上げ、被災した写真を洗浄して持ち主に戻す活動をしていた。
2012年の開幕戦のような人選はわかる。だが、メジャーリーグとの関連が皆無な――私には思い当たらないが、あるとしても希薄だと思われる――有名人の始球式は、いかがなものかと思う。レギュラーシーズンの他の試合ならともかく、これは開幕シリーズだ。しかも、開催地も通常とは異なる。
2000年の始球式当時、アーロンの通算755本塁打はメジャーリーグ記録だった。とはいえ、2007年にアーロンを追い抜いたバリー・ボンズ(通算762本)にはステロイドの汚点があり、殿堂入りもしていない。旬という要素も併せて考えると、1月に満場一致で殿堂入りが決まったマリアーノ・リベラはどうだろう。通算652セーブは、どのメジャーリーガーよりも多い。
リベラとともに選出された3人のなかでは、エドガー・マルティネスも捨て難い。エドガーはマリナーズ一筋にプレーした、フランチャイズ・プレーヤーだ。マリナーズなら、一筋ではなかったものの、エドガーのチームメイトだったケン・グリフィーJr.やランディ・ジョンソンもいる。アスレティックスでは、リッキー・ヘンダーソンを推したい。通算1406盗塁と2295得点のメジャーリーグ記録を持ち、1シーズンながらマリナーズでもプレーした。
また、開幕戦の始球式が村上、第2戦が野茂英雄なら、メジャーリーグでプレーした最初の日本人選手2人となる。ちなみに、彼らに続く3人目はマック鈴木(鈴木誠)だ。村上と野茂は、マリナーズでもアスレティックスでも投げていないが、鈴木は1996年にマリナーズからデビューした。
ちなみに、佐々木と鈴木の他にマリナーズでプレーした日本人選手は、長谷川滋利、木田優夫、城島健司、川崎宗則と、今も現役のイチロー(マリナーズ)、岩隈久志(読売ジャイアンツ)、青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)だ。アスレティックスでは、藪恵壹、岩村明憲、松井秀喜、岡島秀樹の4人がプレーした。