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大谷とプーホルスにボーアが加わり、ポジションはDHと一塁の2つ。起用はどうなる?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・ボーア Aug 22, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスに、ジャスティン・ボーアが加わる。ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンによると、契約は1年250万ドルだという。

 ボーアは一塁以外の守備についたことがない。マイナーリーグでも、一塁の592試合に対し、レフトが12試合あるだけだ。先発出場に限れば、レフトは1試合しかない。エンジェルスには、一塁にアルバート・プーホルス、DHには大谷翔平がいる。

 ただ、プーホルスの出塁率はここ2シーズンとも.290に届かず、ホームランはそれぞれ23本と19本に終わった。それまでのプーホルスは、出塁率.300未満のシーズンが一度もなく、400打数以上で25本塁打未満も皆無だった(2013年は391打数で17本)。故障も増えていて、来年1月には39歳を迎える。

 契約は3年8700万ドルが残っているものの、成績からすれば、解雇されてもおかしくないところだ。エンジェルスがそうしない最大の理由は、殿堂入りが確実なスーパースターだからではないか。トロント・ブルージェイズがトロイ・トゥロウィツキを解雇したのとは、スケールが違う。ちなみに、トゥロウィツキの残り契約は2年3800万ドルだった。

 基本的には、右打者のプーホルスと左打者のボーアが、一塁のポジションを分け合うことになるだろう。ボーアのホームランはここ2シーズンともプーホルスより多く(25本と20本)、出塁率は.340以上ながら、左投手には弱い。

 もっとも、ボーアの加入は大谷にも無関係ではない。まず、打撃に関してはトミー・ジョン手術の影響がなくても、シーズン序盤は慎重を期し、プーホルスあるいはボーアがDHとして出場する試合もありそうだ。また、大谷がボーア以上に左投手を打ちあぐねるようだと、ボーアが一塁を守り、大谷はプーホルスと併用される可能性も出てくる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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