ワールドシリーズの法則!? 先にリーグ優勝したチームは9年続けて勝てず。今年はレッドソックスが……
今年のワールドシリーズは、ボストン・レッドソックスとロサンゼルス・ドジャースが対戦する。過去に両チームがワールドシリーズで顔を合わせたのは、「レッドソックスの相手がドジャースなら、102年ぶりのワールドシリーズ対戦。当時はベーブ・ルースも出場」で書いたとおり、1世紀以上も昔だ。どの2チームの組み合わせでも、100年以上のブランクが空いたことは、これまでに一度もなかった。
一方、近年のワールドシリーズは、先に進出を決めたチームの敗退が続いている。2009年のフィラデルフィア・フィリーズから昨年のドジャースまで、9年連続だ。また、2006年以降の12シリーズ中、先にリーグ優勝したチームがワールドチャンピオンとなったのは1度きり、フィリーズがタンパベイ・レイズを下した2008年しかない。
今年の場合、レッドソックスは10月18日にリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制し、ワールドシリーズに名乗りを上げた(4勝1敗)。ドジャースのリーグ優勝は、その2日後だ(4勝3敗)。過去9年と同じであれば、レッドソックスはワールドチャンピオンを逃す。
もっとも、先にリーグ優勝したチームのワールドシリーズ敗退は、たまたま続いているだけかもしれない。3地区制のポストシーズンが始まった1995年から2005年までは、2006年以降とはまったく逆の結果が出ている。11シリーズ中、先に進出を決めたチームが敗れたのは、2000年のニューヨーク対決だけだ。試合から遠ざかって感覚が鈍るという説に対しては、こんな例もある。2008~09年のフィリーズは、両年ともア・リーグのチームより4日早くワールドシリーズ進出を決め、2008年は優勝し、2009年は敗れた。
今年のレッドソックスは、すでに別のジンクス(?)を覆している。これまで、ディビジョン・シリーズあるいはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで監督が退場になった14チームは、すべてワールドシリーズへ進めなかった。だが、15チーム目のレッドソックスは違った。アレックス・コーラ監督がリーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦に退場を宣告され、その試合は敗れたものの、第2戦から4連勝してワールドシリーズ進出を決めた。
ちなみに、レッドソックスは過去12度のワールドシリーズ進出のうち、最初の5シリーズ(1903、1912、1915、1916、1918年)はいずれも優勝し、そこから4シリーズ(1946、1967、1975、1986年)続けて敗れた。そして、「バンビーノの呪い」を解いた2004年からは、3シリーズ(2004、2007、2013年)とも優勝している。