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ポストシーズンに投手が打ったホームラン。左対左は史上初。サイ・ヤング賞投手からも初めて

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・ウッドラフ(ミルウォーキー・ブルワーズ)Oct 12, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ナ・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦に、ブランドン・ウッドラフ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は2番手として2イニングを投げ、その間にホームランを打った(写真)。

 ポストシーズンにホームランを打った投手は、ウッドラフが22人目だ。ボブ・ギブソン(1967、1968年)とデーブ・マクナリー(1969、1970年)は2本ずつ打っているので、24本目ということになる。

 そのなかでも、左対左――左打席に立って左投手と対戦――のホームランは、ウッドラフの1本だけだ。ウッドラフは右投手として投げ、左打者として打席に立つ。マウンドには、左投手のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)がいた。

 また、サイ・ヤング賞投手からホームランを打った投手も、ウッドラフしかいない。ホゼ・サンティアゴ(1967年)、ギブソン(1967年)、マイク・クエイヤー(1970年)がそれぞれ打った相手、ギブソン、ジム・ロンボーグジム・ペリーはサイ・ヤング賞投手だが、カーショウと違い、その時点ではまだ受賞していなかった。ギブソンの受賞は1968年と1970年、ロンボーグは1967年、ペリーは1970年だ。

 ちなみに、ギブソンは1967年のワールドシリーズで、サンティアゴにホームランを打たれ(第1戦)、ロンボーグからホームランを打った(第7戦)。第4戦を含め、ギブソンは3試合とも完投勝利を挙げ、シリーズMVPに選ばれた(1964年も受賞)。

 ウッドラフのホームランは、ポストシーズンの初打席だった。これは、投手では、サンティアゴ、ミッキー・ロリッチ(1968年)、リック・サトクリフ(1984年)に続く4人目。リリーフ登板で打ったのも、ウッドラフの他には、ロージー・ライアン(1924年)とトラビス・ウッド(2016年)しかいない。

 ホームランを挟み、ウッドラフは打者4人から続けて三振を奪い、2イニングとも3人ずつで終わらせた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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