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投手・大谷を「最も援護した打者」はトラウト。その逆は誰だった?

宇根夏樹ベースボール・ライター
コール・カルフーン(中)とアルバート・プーホルス(右) June 24,2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が登板した試合で、最もよく打ったエンジェルスの打者は――当たり前すぎて面白くも何ともないが――マイク・トラウトだった。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)のいずれも、2試合以上に出場した13人のなかで最も高く、3本塁打と4盗塁も最も多かった。

筆者作成
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 トラウトをはじめ、OPSのトップ3には妥当な顔ぶれが揃う。ザック・コザートは今シーズンこそ不振&故障ながら、昨シーズンはシンシナティ・レッズでOPS.933を記録した。その一方で、ワースト3にも主力が並ぶ。大谷が初登板した試合で打順3~5番に座った、ジャスティン・アップトンアルバート・プーホルスコール・カルフーンだ。ちなみに、この試合では、トップ3がワースト3を挟むように、コザートとトラウトが1、2番、アンドレルトン・シモンズは6番に入った。

 アップトンが大谷の登板試合で打っていないのは、たまたまだろう。シーズンOPSは.800を上回る。ただ、あとの2人については、そうとは言いきれない。プーホルスのシーズンOPS.700は、前年の.672に次ぐキャリア・ワースト2位。それまでは、ずっと.750を超えていた。カルフーンは2014年のレギュラー定着以降、初めて.700を割り込み、現時点では.650にも届いていない。

 来シーズン、懸念されるのはカルフーンよりもプーホルスだ。カルフーンの場合、開幕時に31歳という年齢からすれば、復調もあり得る。けれども、プーホルスは39歳だ。8月下旬に手術を受けた左膝が万全であっても、ここ2年の衰えを食い止められるかには疑問が残る。

 プーホルスがエンジェルスと交わしている10年2億4000万ドルの契約は、2021年まで続く。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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