岩隈久志のマリナーズ時代を振り返る。「キング&クマ」を形成し、トラウト&プーホルスは打率1割台
岩隈久志が、シアトル・マリナーズを退団する。
ここ2シーズンは故障に泣かされたが、メジャーリーグ1年目の7月からローテーションに加わり、そこから2016年まではエースのフェリックス・ヘルナンデスに次ぐ投手として投げた。フェリックスとともに「キング&クマ」と称され、2015年にはノーヒッターを達成した。
ベストシーズンは2013年だ。与四球率1.72と防御率2.66はリーグ3位、K/BB4.40は4位。サイ・ヤング賞の投票では、マックス・シャーザー(当時デトロイト・タイガース/現ワシントン・ナショナルズ)とダルビッシュ有(当時テキサス・レンジャーズ/現シカゴ・カブス)に次ぐ、3位にランクインした。ちなみに、この年のフェリックスは8位。すぐ上の7位には上原浩治(当時ボストン・レッドソックス/現・読売ジャイアンツ)がいた。
それだけでなく、2012~16年の与四球率1.83と防御率3.39は、この5シーズンに計800イニング以上を投げた41投手のなかで、5位と17位に位置する。5シーズンとも125イニング&防御率4.15未満は、岩隈とフェリックス以外には8人だけだ。マリナーズが岩隈に支払った7年間の総額は、ここ2年を含めても5000万ドル前後。年俸1000万ドルで5シーズンを投げたと考えれば、イニングはやや物足りないとはいえ、悪くない働きだろう。
また、同地区のロサンゼルス・エンジェルスにいる2人のスラッガーを、岩隈はよく抑えた。マイク・トラウトとアルバート・プーホルスに対しては、本塁打こそ2本ずつ打たれているものの、被打率は.189と.150、被OPSは.581と.450。2人と各20打席以上で対戦した38投手のうち、どちらも打率1割台&OPS.600未満に抑えているのは、岩隈しかいない。