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大谷翔平がいる球団らしからぬ(?)ストリークに、エンジェルスが終止符を打った

宇根夏樹ベースボール・ライター
フランシスコ・アルシア(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 28, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月11日、ロサンゼルス・エンジェルスのマイク・ソーシア監督は、9回表のマウンドへ捕手のフランシスコ・アルシアを送った。スタッツ社のツイートによると、エンジェルスでトゥルー・ポジション・プレーヤーが登板するのは1993年のチリ・デービス以来で、継続中ではメジャーリーグで最も長かったストリーク(連続記録)が途切れたという。

 トゥルー・ポジション・プレーヤーは、正真正銘の野手と訳すべきか。大谷翔平のような二刀流ではないということだ。ソーシアは監督19年目にして、初めて野手を登板させたことになる。7月下旬までエンジェルスの正捕手だったマーティン・マルドナード(現ヒューストン・アストロズ)は通算1登板ながら、マウンドに上がったのはエンジェルス時代ではなく、ミルウォーキー・ブルワーズにいた2014年だ。

 また、スタッツ社のツイートには、ここ4年間に野手が一人も登板していない球団はコロラド・ロッキーズだけ、とも記してある。調べた限りでは、ロッキーズで最後に登板した野手は、2002年のトッド・ジールだった。この年、ジールは正三塁手としてプレーしていた。

 ロッキーズでは、昨シーズンよりバド・ブラックが指揮を執っている。ブラックは2000年から2006年まで、ソーシア監督の下で投手コーチを務めていた。

 とはいえ、「最も長く野手を登板させていない球団」の称号が、ソーシア監督のエンジェルスからブラック監督のロッキーズへ移ったのは、単なる偶然だろう。ブラックはサンディエゴ・パドレスの監督だった2009年に、内野手のジョシュ・ウィルソンを登板させている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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