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オールスター新記録の1試合10本塁打は、どのブランドのバットから飛び出したのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Jul 17, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のオールスター・ゲームは、10本のホームランが飛び交い、これまでの最多記録だった1試合6本(1951年、1954年、1971年)を大きく上回った。ESPNによると、両チームからホームランが5本ずつ出て、打ったのは全員違う選手というのは、レギュラーシーンとポストシーズンを含めても史上初だという。

筆者作成
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 それぞれの選手がホームランを記録したバットのブランドは、表のとおり。2本以上の3ブランドは、全体としても使用する選手が多かった。一方、ショウ(Show)を使っていたのは、出場選手のなかでスクーター・ジネット(シンシナティ・レッズ)だけ。レギュラーシーズンでも、ジネット以外は見たことがない。もしかしたらいるのかもしれないが、少ないことは間違いないだろう。

 その他にも、ミッチ・モアランド(ボストン・レッドソックス)のローリングス(Rawlings)、ジェド・ラウリー(オークランド・アスレティックス)のトゥーチ・ランバー(Tucci Lumber)、ブランドン・クロフォード(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のマックスバット(MaxBat)、マット・ケンプ(ロサンゼルス・ドジャース)とブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)のウォースティック(Warstic)が、今年のオールスター・ゲームでは少数だった。

 ただ、グラブはローリングスが圧倒的に多かった。また、3年前に「メジャーリーガーに人気のあるグラブとバット。今年のオールスター・ゲームで最も多く使用されたメーカーは」でも書いたとおり、ハーパーは打席によって違うブランドのバットを使うこともある。

 なお、1試合6本塁打に名を連ねた選手が使っていたバットはわからないが――ルイビル・スラッガーが多かったのではないだろうか――1951年の6人は半数が殿堂に入り、1954年は5人(2本塁打が1人)中1人ながら、1971年は6人ともホール・オブ・フェイマー(殿堂選手)となった。ジョニー・ベンチハンク・アーロンレジー・ジャクソンフランク・ロビンソンハーモン・キルブルー、そして、ロベルト・クレメンテという顔ぶれだ。今年のオールスター・ゲームでホームランを打った10人は、そのうち何人が殿堂入りするだろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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