Yahoo!ニュース

セーブに失敗した投手がドアを殴って骨折。殿堂入りの大投手にも似たような過去が

宇根夏樹ベースボール・ライター
バスター・ポージー(左)とハンター・ストリックランド Apr 29, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンフランシスコ・ジャイアンツのクローザーが、6週間から8週間にわたって離脱することになった。6月18日、2点リードの9回表から登板したハンター・ストリックランドは、3点を失って逆転され、1アウトしか取れずにマウンドを降りた。セーブ失敗はシーズン4度目。直前のセーブ機会も失敗している。降板直後か敗戦後かはわからないものの、右投手のストリックランドは右手でドアを殴り、小指を骨折した。

 似たようなことは、過去にも起きている。そのなかでも大物を挙げると、ランディ・ジョンソンケビン・ブラウンだろう。通算白星は303勝と211勝。ランディは殿堂入りしていて、ブラウンは史上初めて総額1億ドル以上の契約を手にした。どちらも、クラブハウスの壁を殴って骨折したことがある。

 2人とも、痛めたのは利き手ではなかった――左投手のランディは右手、右投手のブラウンは左手――点からすると、ストリックランドよりは注意深かったと言えるかもしれないが、ランディは6週間、ブラウンは3週間欠場した。また、ランディの「壁パンチ」はメジャーデビュー前ながら、ブラウンは当時すでに200勝以上を挙げていた。ストリックランドのキャリアと年齢は、2人の間に位置する。メジャーリーグ5年目の29歳だ。

 ストリックランドと同じクローザーでは、通算300セーブを挙げたジェイソン・イズリングハウゼンが、こういった怪我を2度も経験している。別の故障のリハビリでAAAにいた1997年は、ダグアウトでごみ箱――ウォーター・クーラー説もある――を殴って右手の手首を痛め、セーブ失敗が相次いだ2008年は、テレビを3度殴って右手を切った。イジーは右投手だ。

 もちろん、投手に限ったことではないし、素手ではなく、バットを使えばいいというものでもない。4年前、シアトル・マリナーズのローガン・モリソン(現ミネソタ・ツインズ)がダグアウトの壁をバットで殴りつけたところ、折れたバットの破片が飛んできて、モリソンは左目の上を5針縫うことになった。こちらもモリソンが初めてではなく、2012年にはブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)が、同じく左目の上を10針縫っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事