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もうすぐドラフト。38年前の1巡目は「監督の宝庫」だった

宇根夏樹ベースボール・ライター
テリー・フランコーナ監督(右)May 16, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1980年のドラフトでは、1巡目に補完を含む26人が指名され、全員がプロ入りした。38年後の現在、そのうち3人はメジャーリーグで監督を務めている。

 ドラフト同期というだけなら、そう珍しくはない。現役の30監督には、1979年と1996年のドラフト入団も3人ずついる。ただ、同じ年のドラフト1巡目から3人は、過去の監督を含めても例がない。

 しかも、3人の指名順位は極めて近い。リック・レンテリア監督(シカゴ・ホワイトソックス)は全体20位、テリー・フランコーナ監督(クリーブランド・インディアンズ)は22位、ジョン・ギボンズ監督(トロント・ブルージェイズ)は24位で指名された。いずれも、FAとなった選手の退団に伴い、補完として球団が得た指名権だ。

 また、フランコーナとギボンズの間に指名されたのは、ビリー・ビーンだった。後に「マネー・ボール」で有名になる、オークランド・アスレティックスのGMだ。

 4人とも野手で、メジャーデビューはしたものの、レギュラーにはなれなかった。4人合わせても、通算24本塁打&19盗塁。これはどちらも、同じ年にドラフト全体1位で指名されたダリル・ストロベリーの10分の1にも満たない。

 彼らの例からもわかるように、選手としては成功できなくても、メジャーリーグでキャリアを築く道は残されている。

 今年のドラフトは、6月4~6日に行われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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