前年の開幕投手を3人ずつ擁する2チームの明と暗。アストロズと対照的にダルビッシュ有がいるカブスは…
ヒューストン・アストロズは、前年の開幕投手を3人擁する。ダラス・カイクルはアストロズ、ジャスティン・バーランダーはデトロイト・タイガース、ゲリット・コールはピッツバーグ・パイレーツで開幕投手を務めた。バーランダーは昨年8月、コールは今年1月に、いずれもトレードでアストロズへやってきた。
シカゴ・カブスにも、前年の開幕投手が3人いる。ジョン・レスターはカブス、ホゼ・キンターナはシカゴ・ホワイトソックス、ダルビッシュ有はテキサス・レンジャーズの開幕戦に先発した。キンターナは昨年7月にシカゴ2球団のトレードで移籍し、ダルビッシュはロサンゼルス・ドジャースからFAとなった後、6年1億2600万ドルでカブスと契約した。
彼らは6人とも、エースの故障により、代役として開幕投手を務めたわけではない(今シーズンの開幕投手は、バーランダーとレスター)。今シーズンは、6人のなかで最も少ないダルビッシュでも7試合に先発している。ところが、両チームの先発投手陣には顕著な差がある。5月16日の時点で、先発投手陣の防御率はアストロズが2.24、カブスは3.93。しかも、前年の開幕投手3人に限れば、その差はもっと広がる。3人のトータル防御率はアストロズが1.91、カブスは4.37だ。
アストロズでは、バーランダーとコールが防御率1点台、3人のなかで最も悪いカイクルでも3.10を記録している。一方、カブスはレスターこそ防御率2.66ながら、キンターナとダルビッシュは5点台だ。アストロズの補強が当たり、カブスは外れたのか。カブスが再契約しなかったジェイク・アリエタは、フィラデルフィア・フィリーズで防御率2.59。アストロズはア・リーグ西地区の首位を走り、カブスはナ・リーグ中地区の4位に位置している。
ただ、地区4位とはいえ、カブスも22勝18敗と勝ち越していて、首位のパイレーツとは2ゲームしか離れていない。レギュラーシーズンは、まだ4分の1が終わったところだ。カブスにもポストシーズン進出の可能性は十分あるし、防御率も、レギュラーシーズンが終わる頃にはアストロズに近くなっていても――アストロズの先発投手陣がこのままの調子を維持しない限り――おかしくはない。